内容説明
翻訳とは、原文の深層に横たわるメッセージを探り当て、それに翻訳語の形を与えて原文の「姿」を再構成することである―では、多義的で抽象性が高く、文語と口語の差が著しいフランス語を、的確な日本語に翻訳し原文の「姿」を再現するコツは何か。どんなポイントを押さえ、どういう方法を駆使すればいいのか。文法項目ごとに豊富な訳例を掲げ、解釈の基本から日本語の表現方法まで多彩な技術を伝授する、実践的翻訳術。上巻はフランス語の特性、訳しにくい名詞、品詞を変えて訳す(形容詞)、そのまま訳と加減訳(副詞)、翻訳と人称分裂、「説明」の時制・「語り」の時制(動詞)など26章。
目次
仏語翻訳という文化
フランス語の特性
名詞(訳しにくい名詞;何故これほどまでに名詞か;抽象名詞をめぐって)
形容詞(訳語と語順;品詞を変えて訳す;省略・短縮と用法転換)
副詞(そのまま訳と加減訳;抱きあわせ訳・述語訳・転換訳)
限定詞(冠詞;指示形容詞;所有形容詞)
人称―翻訳と人称分裂
代名詞(人称代名詞;指示代名詞、および不定代名詞on;関係代名詞)
動詞(抽象動詞を訳す;「説明」の時制(現在形;未来形と複合過去形)
「語り」の時制(単純過去形と大過去形;半過去形)
アスペクト
分詞(現在分詞;過去分詞))
著者等紹介
鷲見洋一[スミヨウイチ]
1941年生まれ。慶応義塾大学教授
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