ちくま学芸文庫
薔薇十字団

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087461
  • NDC分類 230.5
  • Cコード C0110

内容説明

17世紀初頭、風雲急を告げる三十年戦争前夜。ドイツから秘教的世界改革運動の狼煙が上がった。その担い手とされたのが薔薇十字団である。『名声』『告白』『化学の結婚』といった文書は何を語るのか。伝説の始祖クリスティアン・ローゼンクロイツとは何者なのか。薔薇と十字架は何のシンボルなのか。名だたる王侯貴顕、哲学者、文学者、芸術家が魅せられ、あるいはその一員と目された薔薇十字運動の消長は、西欧近代の興味尽きない裏面史そのものである。古代、中世の源流から説き起こし、多くの分派を生みつつ現代に至る歴史はもとより、伝説・儀礼の細部にまで説き及ぶ、一級の知的読み物。C・ウィルスンの序文、長文訳者付論を併載。

目次

古代思想の再発見
ドイツにおける神秘主義の伝統
テュービンゲンのサークル
薔薇十字宣言の余波
薔薇十字団の展開
「哲学者の石」の探究
黄金薔薇十字団
薔薇十字の君主
フランスにおける復活
「黄金の夜明け教団」の成立と分派
文学に登場する薔薇十字団のアデプトたち
現代の薔薇十字運動

著者等紹介

マッキントッシュ,クリストファー[マッキントッシュ,クリストファー][McIntosh,Christopher]
1943年、イギリス・ケント州生まれ。ジャーナリスト、ドイツ文学者、思想史家。オクスフォード大学クライスト・チャーチ学寮卒業

吉村正和[ヨシムラマサカズ]
1947年生まれ。東京大学文学部卒業。名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授。イギリス文化史、西洋神秘思想史専攻
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

37
「薔薇十字団」と聞くと「榎さん」、「トリ・ブラ」と連想されてしまう哀れな小説脳(苦笑)なのですがその基となっている薔薇十字団についてはよく、知らないので大学の図書館から借りました。知恵の実を食べてしまったことで神の光を失ってしまったアダムの末裔から生まれかわることで神からの光を取戻し、神への惧れを第一にしながら叡智を求める探究心を掲げ、時には異端扱いもされながらもフリーメイソンなどの名でも活躍する宗教団体についての興味深い研究書。巻末の緻密な図表や訳注付きの参考資料紹介や解説も素晴らしかったです。2013/04/19

takao

2
☆日本では空がまとまりの中心だが、薔薇十字団は何に引き寄せられているのだろう?謎?2021/08/17

紫暗

2
薔薇十字団という秘密結社についてまとめられている一冊です。薔薇十字団の誕生から現代の活動に至るまでが説明されていますが、専門用語が多く、誰が何を言ったかを中心に語られるので、全く知識のない人には難しく読みづらい印象かと思います。とはいえ、薔薇十字団にスポットを当て、これだけこの団体のみを追いかけた類書がこの価格で手に入るとは思えないので良書といえるかと思います。2012/10/04

ymazda1

1
歴史の中で薔薇十字に関わってきた人たちは、みんなけっこうクソマジメだったんかなって感じた・・・そして彼らが信じてきたものは、現在の自分たちからは、オカルトやエセ科学にしか映らないってこと・・・裏返せば、自分たちが信じているものは、数百年後の人たちには、どう映るのかってこと・・・そう思うと、価値観って、なんかさみしい。。。

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