内容説明
17世紀初頭、風雲急を告げる三十年戦争前夜。ドイツから秘教的世界改革運動の狼煙が上がった。その担い手とされたのが薔薇十字団である。『名声』『告白』『化学の結婚』といった文書は何を語るのか。伝説の始祖クリスティアン・ローゼンクロイツとは何者なのか。薔薇と十字架は何のシンボルなのか。名だたる王侯貴顕、哲学者、文学者、芸術家が魅せられ、あるいはその一員と目された薔薇十字運動の消長は、西欧近代の興味尽きない裏面史そのものである。古代、中世の源流から説き起こし、多くの分派を生みつつ現代に至る歴史はもとより、伝説・儀礼の細部にまで説き及ぶ、一級の知的読み物。C・ウィルスンの序文、長文訳者付論を併載。
目次
古代思想の再発見
ドイツにおける神秘主義の伝統
テュービンゲンのサークル
薔薇十字宣言の余波
薔薇十字団の展開
「哲学者の石」の探究
黄金薔薇十字団
薔薇十字の君主
フランスにおける復活
「黄金の夜明け教団」の成立と分派
文学に登場する薔薇十字団のアデプトたち
現代の薔薇十字運動
著者等紹介
マッキントッシュ,クリストファー[マッキントッシュ,クリストファー][McIntosh,Christopher]
1943年、イギリス・ケント州生まれ。ジャーナリスト、ドイツ文学者、思想史家。オクスフォード大学クライスト・チャーチ学寮卒業
吉村正和[ヨシムラマサカズ]
1947年生まれ。東京大学文学部卒業。名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授。イギリス文化史、西洋神秘思想史専攻
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
takao
紫暗
ymazda1