内容説明
「フィルムはない。映画は死んだ」と言ってのけるドゥボールにかかっては、あのゴダールさえ小市民的に見えてしまう。芸術に限らず、思想も政治も経済も、「専門家」に任せきりで、鷹揚にお手並拝見と構えているうちに、いやおうなく「観客」であるしかないどころか、大仕掛けな茶番劇のエキストラに動員されてしまいかねない。こんな世界のありようと疎外感の大元を、本書は徹底的に腑分けしてくれる。ほんとうに「何一つ欠けるところのない本」だ。マルクスの転用から始まるこの本は今日、依然として一個のスキャンダル、飽くなき異義申立てと「状況の構築」のための道具であり、武器であることをやめていない。
目次
1 完成した分離
2 スペクタクルとしての商品
3 外観における統一性と分割
4 主体と表象としてのプロレタリアート
5 時間と歴史
6 スペクタクルの時間
7 領土の整備
8 文化における否定と消費
9 物質化されたイデオロギー
著者等紹介
ドゥボール,ギー[ドゥボール,ギー][Debord,Guy]
1931‐94年。フランスの映画作家・革命思想家。57年、シチュアシオニスト・インタナショナル(SI)を結成、67年の『スペクタクルの社会』刊行により68年「五月革命」の先駆者と目される。72年のSI解散後は、イタリア・スペインの革命運動と関わりつつ映画製作・著作活動を行うが、病を得て自殺
木下誠[キノシタマコト]
1956年鳥取県生れ。神戸商科大学教授。フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zirou1984
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