内容説明
「アラブ」とはだれか。定住は頽廃につながるとする「移動哲学」。1960年代末から、サウディ・アラビアはメッカにほど近い地で、砂漠の民のただなかにとびこみフィールドワークを重ねた著者は、アラブの家族と寝食を共にし、語り合い、ありのままの暮らしのディテールを見つめることから、厳しい自然と戦いながら生きる彼らの、西欧とも私たちとも異質なものの見方、考え方、生活哲学をていねいに考察していく。しなやかな目と距離感で異文化の本質を掘り下げた不朽の名作。
目次
1 日記より―あるアラビアの一日(マリアムの憂鬱;夜のつどい;荒野の朝 ほか)
2 フィールド・ノートより―荒野に生きる人々(食べること、飲むこと;伝統衣装、イスラームと沙漠の産物;住いは女のもの ほか)
3 雑記帳より―移動文化を考える(町のアラブと沙漠のアラブ;アラブのものの見方;アラブとのつきあい)
著者等紹介
片倉もとこ[カタクラモトコ]
1937年、奈良県生まれ。東京大学大学院地理学博士課程修了。理学博士。現在、中央大学総合政策学部教授。国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。エジプト、サウディアラビア、シリア、イラン、アラブ首長国連邦などの中東地域、東南アジア、北米、南米、地中海、バルト海、カリブ海沿岸地域などで民族学的調査を行う
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価