ちくま学芸文庫
暗黒日記〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 558p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087126
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

内容説明

昭和17年12月、評論家・清沢洌はある決意をもって日記を書きはじめた。のちに『暗黒日記』の名で知られるようになるこの日記は、戦後に外交史を書くための資料とすることを企図して、戦時下の政治や社会にあらわれた種々の病理現象に対する観察や批判を詳細に記したものであった。彼が痛烈に批判した現象の多くは、日本社会が長く培ってきた病理的傾向の最も凝縮された姿であり、その批判は、現在の日本を考えるに際してもきわめて示唆に富んでいる。優れたリベラリストがのこした後世への遺言ともいうべき貴重な記録。第2巻には、戦況ますます悪化する昭和19年分を収録。

著者等紹介

清沢洌[キヨサワキヨシ]
明治23(1890)‐昭和20(1945)年。長野県生まれ。小学校卒業後、内村鑑三門下の井口喜源治が創立した研成義塾に入り、感化を受ける。明治39年渡米、働きながらハイスクールを卒業。カレッジ在学中から邦字新聞の記者として活躍。大正9年、帰国して中外商業新報社に入社、のちに通報(外報)部長となる。昭和2年、東京朝日新聞社入社。同4年退社、フリーランスの文筆家となり次々と著書を発表、自主独立の評論家・外交史研究家として矜持を貫く。同20年5月、急性肺炎のため急逝
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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masabi

9
【概要】清沢洌の戦時下の日記。2巻目。【感想】1944年1月から12月までが収録されている。東条内閣が倒れる、サイパン島の陥落、東京空襲と情勢が悪化の一途を辿る。本土空襲により戦局が大本営発表より悪いのではと疑念を抱かせる。英米の物質に対して日本の精神の優越を説く論調も年の後半には姿を消す。物資と食糧品の不足から窃盗が紙面や四方山話の話題になる。徴兵が20歳から60歳を対象に、学生・婦人も工場で労働と余力がない状態となっている。2021/09/12

父帰る

3
今から丁度70年前の日記だ。昭和19年は前年より食料事情が悪化。またこの年に東条内閣が退陣。それにしても東条の評判が悪い。特に知識階級にはそうだ。ひっくる時に憲兵をよく使ったからか…。空襲も年の後半になって多くなって来る。大本営の発表を信じる者も少なくなって来ているようだ。当時の世相がよく分かる。2014/12/31

ELW

2
Oliver Littleton,Minister of Productionの失言を検索してみると、日本語のものはある種の書籍に散見されるが、英語のはあるのかな。同工異曲のコミンテルンの陰謀だろうがアメリカの罠であろうとひっかかった日本が弱いだけ。さて、中身からは憲兵政治が昏い。サイパン陥落から「敵を引きつけて倒す」なんていう期待があって、台湾沖航空戦の大戦果が捏造されるわけですね。あと、B29の撃墜された機体がどこにもないことに都民が気付いているのが実にいい。 2019/11/26

Hideki Ando

2
非常に面白い。日本人の悪いところは今とあまり変わらないのかと思う。2018/06/02

シンドバッド

0
古書店平台で3冊揃い300円(赤鉛筆線引きあり)ということで、安さに目がくらみ購入。内容、とっとも面白い。著者が切り取ってあった、当時の新聞記事もあり、よく時代がわかる。2012/06/04

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