内容説明
「あの苦しみはこの苦しみより大きい」、「これを欲するわたしとあれを欲するわたしとが衝突する」などと口にするとき、私たちは何を比較し、何を対立させているのか、ベルクソンは、人間の内的事象に固有の表現を、言語の限界線上に模索してゆく。感覚や情緒など互いに比較不能な純粋に質的な諸状態、それらが相互浸透する多様性、さらにその多様性が“持続”において展開する有機能組織化…。本書では、これらの考察を通じて、全く動的に再編された斬新な行為論・自由論が呈示される。『時間と自由』の通称でも知られるベルクソン第一主著の新訳。
目次
第1章 心理的諸状態の強度について(強度量と外延量;数々の深い感情;美的な感情 ほか)
第2章 意識的諸状態の多様性について―持続の観念(数的多様性と空間;空間と等質的なもの;等質的時間と具体的持続 ほか)
第3章 意識的諸状態の有機的組織化について―自由(物理的決定論;心理的決定論;自由な行為 ほか)
著者等紹介
ベルクソン,アンリ[ベルクソン,アンリ][Bergson,Henri]
1859‐1941年。パリ生まれ、フランスの哲学者。旧来の認識論の限界を超えるべく実証主義の手法を採り入れ、すべてを持続の相の下に捉え直し、直観によってこそ生きた現実が把握されるとする独自の経験論を確立した。1900‐1921年コレージュ・ド・フランス教授。第一次大戦頃より政治的発言や活動も多く、1929年にノーベル文学賞を受賞
合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。東京都立大学助教授。フランス思想史
平井靖史[ヒライヤスシ]
1971年生まれ。福岡大学常勤講師。哲学
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