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ちくま学芸文庫
時間論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 228p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480086839
  • NDC分類 112
  • Cコード C0110

内容説明

時間とは、“いま”が次々に姿を現しては過去へと消えていく流れである―こうした「一般常識」は、西洋哲学でも支配的だった。その「現在中心主義」というべき時間像においては、非日常的な長さや幅のない極小的“いま”が前提にされている。しかし、その前提自体が誤解なのだ。この誤解を解いていくと、むしろ、想起の対象としての過去との対比で、初めて“いま”が成立するという「過去中心主義」が迫り出してくる。人間を呪縛してきた「現在中心主義」に疑義をとなえ、時間とは何なのかを見つめなおす、新しい時間論。

目次

第1章 過去中心主義とは何か
第2章 過去と空間化
第3章 過去と想起
第4章 過去と自由
第5章 時間の限界としての現在
第6章 幻想としての未来

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年、福島県生まれ。1977年、東京大学大学院修士課程修了。1983年、ウィーン大学哲学科修了。哲学博士。現在、電気通信大学教授。専攻は、時間論、自我論、コミュニケーション論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coaf

6
中島義道ということで読んでみたが、実際のところ僕はあまり時間には興味がないようだ。そのうち真剣に考えてみたいと思ってはいるが、今のところは「死とはどういうことか」、「私とは誰か」のような問題の方が大切に思われる。内容が難しくて気合を入れないと理解出来ないので(もしかしたら気合を入れても理解出来ないかもしれないが)、これ以上読んでいくモチベーションが保てず、途中で断念。またいつか再読することになるかもしれない。2013/06/13

heroworld

2
大森荘蔵、野家啓一氏らの著書を並行読みしながら。 <いま>はあくまでも過去における<いま>との関係において<いま>なのであり、それ自体としての<いま>をとらえようとした瞬間に<いま>は消え去り時間は消え去るのである。<いま>とは時間の限界という場なのである。 2016/09/27

yakisoba

2
 自己認識における時間とは、過去の情報の積み重なったものであり、「現在」という極めて断片的な時間は厳密に言えば存在しない筈である。我々が思っている「現在」とは一体何なのか?ということを哲学的に考えている。極めて難解な構成だが、日頃時間に追われて疲弊している人が考え方を変える起点として読むのにお勧めする。2012/01/14

umechi

1
まず気になる章から、では次はこちらへあちらへと読んでいたら順序立てて読むことになり結局全て目を通した。過去中心主義という著者ならではの表現で名のある哲学者を次々と批判の対象にする。特に目を留めたのは大森氏の論理を突き詰めるところで、なぜ『いま』を語るには過去が必要かを明らかにしていく。分かったようで分からず、AだからBになるその根拠がつきとめられないこともしばしば。今を起点にして、過去から未来へ流れゆく"時間"は錯覚なのか。今は点ではなく、過去とのその関係によって浮かんでいる?興味はつきない…2022/11/26

かとう あき

1
現在中心主義から過去中心主義へ。ベルクソンやフッサール、大森庄蔵らの議論を退けるべく彼らの批判したカントを解釈しなおしている。個人的に生になったところは思考実験において出てくる「エピソード記憶」についてだった。この部分に関してはエリアスが「時間について」で(きちんと)考察しているようなので読んでおきたい。2013/06/08

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