内容説明
可能な限り主としてドイツでの基礎資料および文献を調査し整理して、緻密かつ新鮮な解釈を提示した画期的なニーチェ研究。本書第二部では、学者となったニーチェが、単なる文献学を越えて、『悲劇の誕生』をもって古典学界に一大波紋を引き起こすに至る教授時代に光をあてる。
目次
第1章 自己抑制と自己修練(哲学と文献学の相剋;ラエルティオスとアリストテレス;恋とビスマルク;ライプツィヒの友人たち)
第2章 新しい飛躍への胎動(バーゼル大学への招聘;赴任前の日々)
第3章 本源からの問い(歴史認識のアポリア;ワーグナーとの共闘;フランス戦線の夢と行動)
第4章 理想への疾走(バーゼルの日常生活;『悲劇の誕生』の成立次第;歴史世界から自然の本源へ―初期ニーチェの中心問題;19世紀歴史主義を超えて)
著者等紹介
西尾幹二[ニシオカンジ]
昭和10年、東京生まれ。昭和36年、東京大学大学院修士課程修了。昭和54年、同大学文学博士
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