ちくま学芸文庫
原典訳 マハーバーラタ〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 524p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480086037
  • NDC分類 929.881
  • Cコード C0198

内容説明

ヒマーラヤ山麓で苦行に励むアルジュナのもとに、シヴァ神が山岳民の姿で現われる。激しい戦いの後、アルジュナはシヴァ神から全世界を滅亡させる武器を授かる。また、インドラ神は魔物たちを滅ぼすために、諸々の偉大な武器をアルジュナに習得させる。「自分よりも不幸な者はどこにもいない」とカーミヤカの森で苦しみ嘆くユディシティラに、大仙ブリハダシュヴァはナラ王の物語を語る。美しい微笑のダマヤンティー姫に婿選び式で選ばれたナラ王。しかし、嫉妬深い魔神カリにとりつかれ、賭博で弟に王国を奪われ、森に妻を捨てることになる。

著者等紹介

上村勝彦[カミムラカツヒコ]
1944年、東京浅草に生まれる。1967年、東京大学文学部卒業。1970年、同大学院人文科学研究科(印度哲学)修士課程修了。サンスクリット詩学専攻。現在、東京大学東洋文化研究所教授
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感想・レビュー

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NAO

60
賭博で負け森に12年間住むことになったパーンドゥ五兄弟。契約が明け敵と対決することになったときに備えて、ユディシティラはアルジュナの力を増大させるために苦行に行かせる。苦行をすれば、人間でも神をも倒す力を得たり、神と同座することができたりするというヒンズー独特の考え方は面白いが、そのためにいろいろとややこしいことが起こる。多神教だからこそ、神は絶対的な力を持ちえないのだろうか。聖地巡礼の章ではヒンズー教における聖地とそこに行くことの功徳が語られ、それはヒンズー教徒たちの聖地巡礼の規範とされたのだろう。2017/12/09

荒野の狼

2
マハーバーラタの第3巻、森林の巻の前半1−178章を含む。この巻も他の巻と同様、訳者が一般読者に不要と判断した部分は省略されてるので(たとえば46-48, 79, 82章のすべてと83章1-64)、全訳ではない。本書は、本筋に関係のない挿話が多いが、そのなかで、本巻に含まれている有名なナラ王物語の部分に省略は見られないようなので、この部分は原典の全訳といえる。他には、助けを求める鳩の命を、自分の命と引き換えに守ろうとするシビ国のウシーナラ王の話などは重要(p364)。2011/02/04

みづはし

2
森に追放されたパーンダヴァが色んな聖仙から話を聞く章なので本筋はあまり進みません。一番印象に残ったのはアシターヴァクラとバンディンの議論勝負のお話です。ただ、論争というよりかは実質的には詩吟勝負っぽいです。数にまつわる事柄をそれぞれ順番に言っていき、言えなくなった方が負けというシステムのようです。これだけだと断言は出来ないですが、古代インドの論争の様式がかいま見えると思います。後、ナラ王物語もこの章に入ってます。ナラ王はカリに取り憑かれるて色々やらかすので、ダマヤンティーの貞節さが健気に映ります。2014/11/15

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