ちくま学芸文庫
平安朝文章史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 379p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480085870
  • NDC分類 910.23
  • Cコード C0181

内容説明

漢字・仮名まじり文を初めて手にした日本人は、それを用いて何を表現しえたのだろうか?平安朝における文章史の流れは、“書く”ための文体を最初に意識化した『竹取物語』にはじまり、連体修飾のつみ重ねと複雑な接続語によって人物の内面の重層を表現し頂点を極めた『源氏物語』、源氏的表現の超克に向かった『大鏡』に至る。史上ひときわすぐれた達成をみたこの時代の文学を読み解き、再現不可能的に実現しえた言語事実の発見につとめた、国語学の碩学による問題作。

目次

第1章 平安文章の創造―勢語の章(かな文の出で来はじめ―竹取物語;いちはやき到達―伊勢物語;晴のかな文―古今集仮名序 ほか)
第2章 平安文章の成熟―源語の章(当事者的表現―蜻蛉日記;物語への歩み―和泉式部日記;一般化の筆―枕草子 ほか)
第3章 平安文章の終結―大鏡の章(同定の論理―更級日記;平安への訣別―大鏡)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新田新一

23
平安時代の『かぐや姫』から『大鏡』を例に取り、日本人の散文の書き方の深まりを論じた本です。出来事の記述のみの散文が、作者の心象を盛り込み、物語自体に複雑なニュアンスを持たせられるようになるまでの過程が、丁寧に論じられています。本当に素晴らしい名著だと思います。こんな風にして日本語が徐々に完成し、現代まで伝えられてきたと思うと、先人たちの尽力に頭が下がります。『源氏物語』を論じた章が圧巻。日本の文学だけではなく、日本人の心の在り方まで形作った小説だと分かりました。2024/07/05

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