内容説明
19世紀の大作家オノレ・ド・バルザックが、人間の生きとし生ける様すべてを活写することをもくろんだ小説の金字塔『人間喜劇』。人間のあくなき営みを情け容赦なく描くこの100余編の作品に隠された「謎」を周到なテクストの読みによって解き明かし、複雑きわまる物語の関連や構図をみごと浮き彫りにする。作品の随所にちりばめられた「黄金」という言葉、主人公の没落にともない色濃くなる水のイメージ…。バルザック没後150年の今、人生の辛辣にして奥深い真実に光が当たる。文庫書きおろし。
目次
活字に魅せられた男バルザック
第1部 見つめる男たち(黄金の夢の彼方に―『ファチーノ・カーネ』の幻視;白い肩の向こうをのぞけば―『谷間の百合』の意匠;パリの高みから何を見たか―ラスティニャックとリュシアン;街角の視線―『鞠打つ猫の店』の構図;絵の具の堆積の下に―『知られざる傑作』の変貌;独り者のコレクション『いとこポンス』の面白さ;虹の中の幸福「トゥールの司祭」とは誰か)
第2部 見つめる女たち(黄金の女に灼かれて―『ウジェニー・グランデ』における光;美少女フロールの見たもの―『ラ・ラブィユーズ』、欲望の構図;性を見つめる―『いとこベット』の深淵;ハートのクィーンの失敗―『ソーの舞踏会』の男と女;寄宿舎の窓から―『二人の若妻の手記』、女の変貌;声とまなざし『アルベール・サヴァリュス』のヒロイン;誘惑のディスクール『地方におけるパリジアン』から『ボヴァリー夫人』へ)
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