内容説明
１９５０年代、メンズマガジンに現れ、エロスの簡便さ、密室性から、たちまち「夢の装置」として２０世紀の男たちを魅了したピンナップ。脚部をクローズアップし日常生活の延長線上の夢を具現化した「チーズケーキ」、映画の影響を受け肉体を誇示するために整形手術を施した表情でほほえむハリウッドのピンナップ、『プレイボーイ』の黄金時代を築いたヒュー・ヘフナー…。このメディアに乗って膨大に流れ出たエロス・イメージ―ピンナップの流れをたどり、それが単なる視覚的欲情の痕跡ではなく、時代そのものの嗜好や趣味であり感受性や生理の表象だったことを跡づける。図版多数。
目次
２０世紀のイブ―ピンナップのアルケオロジー（“紙のハレム”の女たち；ハロルドの寝室、あるいはファンタジーのゆくえ；ピンナップ・セオリー；ハリウッド・イメージ；戦争とピンナップ；プレイボーイたちの王国；死のコレクター；フェミニズムからの攻撃；イノセンスとスプレンダー；性革命とピンナップの終焉；過去形のイブ）
２０世紀ピンナップ論を読む
２０世紀ピンナップ年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
王子
11
ピンナップ写真を、ことさらに称揚するのでも否定するのでもなく、その時代の性意識にリンクするものとして捉え、いまいちど考えてみよう、という感じか。頻繁に差し挟まれるピンナップ・イメージは、煽情的というよりも、現代のわれわれの性のあり方を逆照射する一資料の観を呈している。2017/10/02
いちはじめ
0
ピンナップの歴史。チーズ・ケーキという言葉の由来など、知らないことがいろいろ載っていたので、参考になった。2000/04/12
tkm66
0
この衒学的な感じ！2000/06/30
