ちくま学芸文庫
百貨店の誕生―都市文化の近代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480085177
  • NDC分類 673.8
  • Cコード C0130

内容説明

人びとは百貨店に特定の必需品を買いに出かけたのではなく、百貨店の中でそれを発見し、夢とともにそれを買ったのである―明治前期、新しい販売スタイルで大衆の人気を博し、繁華街を席捲した勧工場。その衰退と軌を一にするように、三越をはじめとする呉服店は、百貨店へと脱皮をとげた。流行をしかけ、モダンで高級なイメージ戦略を展開し、山の手の上・中流の顧客をつかんで、百貨店は成長を重ねる。豪華な建物、趣好をこらした催し物、大食堂、屋上遊園地。やがて大衆の遊覧場として、独自の発展をとげていく。百貨店をとおしてたどる、明治、大正、昭和の都市の近代史。

目次

第1章 勧工場の設立
第2章 繁華街に出た勧工場
第3章 呉服店から百貨店へ
第4章 新しい顧客の開拓
第5章 遊覧場になった百貨店
第6章 家庭生活の演出
第7章 新中間層と都市文化
第8章 勧工場と百貨店の時代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rbyawa

2
e148、勧工場というのは話には聞いたことがあったんですが(本の中でもあったように博覧会の跡地として)、百貨店の前身として扱う、というのは初めて見たんですが、あー、なるほど、この増減の時期を見ると確かに百貨店がその機能を引き継いだと考えていいのか。文化発信の場所、家族で連れ立って行く場というのは欧米の百貨店と比べての長所として捉えられているわけですね、確かにターゲットが広い。呉服店の称号の変遷も、確定説ではないんですが高級さを表さなくなったということで納得、土足に際しての苦悩の歴史も、具体的な内容でしたw2014/05/28

mk

1
明治末期に登場し、大正〜昭和初期の都市生活の先導者となっていった百貨店のルーツを官営博覧会場というべき勧工場に探る前半部と、鉄道・教育など他業種への進出を通じて総合商業施設に変貌していく過程を追った後半部に分けて、バランスよく読ませる。三越を百貨店業界の覇者に押し上げた日々翁助や、阪急の小林一三など財界人が産業資本主義の展開期にどういう戦略的な動きを見せたかは興味深いテーマではある。日本の百貨店が呉服屋を出自とすることや、家族連れをターゲットにして成長してきた事実なども掘り下げられている。2016/05/14

ぎんしょう

0
百貨店の前形態としての勧工場と、呉服店から変化した百貨店の成り立ちと発展を見、世の中で勧工場や百貨店がどのようなものとして考えられていたか、海外とどのようなところが違うかを丁寧に見ていく。2012/02/21

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