内容説明
むかしむかしあるところに…ほんの数十年前まで、昔話は、幼な子が人生の最初に楽しんで聞く文芸だった。神々が人界をめぐり、鶴女房が飛来し、海底の都にみちびかれる語りの世界。無数の語り手と聞き手とが共同でつくりあげたさまざまなお話は、いく世代にもわたって口伝えで生きつづけ、ゆたかで奥深い口承文芸の宇宙を築いてきた。その一千を超えるタイプのなかから、上巻には「こぶ取り爺」「浦島太郎」「舌切り雀」「桃太郎」など、おなじみの「むかしがたり」(完形昔話)103篇を収録。いまや失われようとしている日本の昔話の集大成。
目次
1 むかしがたり(人の始まり;弘法様の麦盗み;年定め;大みそかの客;大みそかの火;跡隠しの雪;もの食う魚;人魚のごちそう;鬼婆さの仲人;笠地蔵;こぶ取り爺;山の神とあんにゃ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
知人から教えてもらった本。『日本昔話の型』と一緒に借りたので、どの型なのか読み解きながら楽しみました。『 人の始まり / 弘法様の麦盗み / 年定め / 大みそかの客 / 大みそかの火 / 跡隠しの雪 / もの食う魚 / 人魚のごちそう / 鬼婆さの仲人 / 笠地蔵 / こぶ取り爺 / 山の神とあんにゃ / 金の斧 / 貸し椀 / 大みそかの金馬 / 蛇の予告 / 浦島太郎 / 竜宮童子 / 地蔵浄土 / 鼠の浄土 / 舌切り雀 / 鶯の浄土 / 鳥飲み爺 / 天福地福 / 夢見小僧 →2023/03/25
ゆうこ
3
むかしむかし…から始まる話。日本中にある話をその場所の言葉で聞く。これは本だから読むんだけれど、話で聞いたらどれだけ迫力があって面白いだろうと思う。昔話を子供の時に聞いた話はただ面白いだけだったように思うけれど、結構残酷で生きる知恵に溢れている。時に命を落とすものが、犬だったりヘビだったり、鬼や物の怪だったりするけれど、欲張るな、嘘をつくな、人には優しく当たれ、勤勉であれなどなど。小さな話が沢山集められている本でしたが、機知に富んだ面白い本でした。地元の言葉で聞いてみたくなります。 2018/04/09
憩子
0
「鬼の面」読みくらべのため。2024/12/26