内容説明
常人では思いもつかない、あるいは、思いついたとしてもとうてい実行できそうにもないことを、敢然とまた平然とやってのけてしまった、という逸話をもつ僧たち―孔雀の咒法を駆使した役小角、神通力の持ち主行基、空を飛ぶ陽勝、奇行に奇行を重ねた増賀、苦行の末に験力を発揮した空也など、歴史の表舞台に現れることはほとんどなかったが、人々の口伝えのなかにその「異能の人」「反骨の人」「隠逸の人」の姿をしっかりと刻印していった者たち。豊饒な説話世界のなかに、こうした奇僧たちの像を探し求めつつたどる、もうひとつの日本仏教史。
目次
異能の人(役小角;行基;陽勝;仙人群像)
反骨の人(玄賓;性空;叡実;増賀;西行)
隠逸の人(空也;教信;理満;千観;平等;東聖;徳一と行空)
著者等紹介
宮元啓一[ミヤモトケイイチ]
1948年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。国学院大学文学部教授。インド思想専攻。仏教にとどまらぬ幅広いインド思想研究の実績をベースに、初期仏教を、インド思想の流れのなかに還元し、斬新で明快な釈尊像・仏教像を提示する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
33
奇僧とはどのような人たちであるか。大雑把にいって彼らは寺院集団の枠に収まらないが、それだけでは「奇」を語り尽くせない。天地自然に生きた彼らは「出家」の世界からさらに外に出て、俗人との接点を保ち続けた。仙人をめざす陽勝でさえ、貧しい人々に衣食を施している。否定の極にある肯定…そんな考えが浮かぶ。しかし「奇」中の「奇」である増賀はそれでもまだ捉えられない。また、西行が骨から人を作ったという奇怪な逸話は何を意味するのか。彼らの「奇」は、人の心にある絶対的自由を支えた点において、現代のアートにも重なるように思う。2013/12/08
目黒乱
10
空海や親鸞といった王道の僧ではない、いろいろな僧のエピソードを集めた本。知ってたのは役小角、行基、西行、空也だけだった。小難しいことは書いてなく、エピソードの紹介だけだから、気軽に読める。同じ著者の『仏教誕生』の仏教観が好きでこの本も手にとった。般若心経なんか仏教の宣伝のためにつくられたもので、ありがたがるものではない、とかいう斜めさが好き。2014/07/26
あかつや
7
面白かった。この本のいいのは「面白さ」に価値を置いているという点。僧侶が空を飛んだりゾンビを作ったりといった逸話は、真実を追求しようとすれば荒唐無稽だとして排除されかねないが、それでは「つまらない」とする。全く同感で超人話は単純に読んで楽しいし、仮に科学的でないと考えるとしても、ではなぜそのような話が生まれたのかを解釈するのもまた面白いことである。特に好きなのは増賀のお話。このお坊さんまさに奇僧で、高貴な人に招かれて自分のイチモツを自慢したり、腹壊したとでかい音立てて脱糞したり、もう滅茶苦茶、最高である。2018/06/06
駄々猫
4
名声や富、世俗から離れたところで、まっすぐに仏法を求めた僧たちの逸話を集めている。事実かどうかはさておき、メジャーに活躍した(名を残した)表舞台に立っている僧との違いがよくわかるし、本来、仏陀が求めた悟りへの道、仏法を守ることは非常に難しいことがわかる。とても勉強になりました。2009/06/10
舟江
3
娑婆っ気のない正統派の内容だった。良寛や一休がいなくて寂しかった。2017/12/13
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