内容説明
グーテンベルクらによる印刷技術の完成以降、地理上の発見とともに書物は世界中に流布される。やがてヨーロッパ中を揺がせた宗教改革において書物は大きな役割を担う。命懸けで異端派の禁書を手掛ける出版業者や書籍業者により、教会側の強い弾圧にもかかわらず、書物は新しい思想をのせてヨーロッパ中にひろまってゆく。さらに活字本の普及により、ラテン語は廃れ各国語が発展するにいたる。書籍をめぐる伝統維持と革新をあらゆる局面からたどり、それに関わる生きた人間とともに鮮やかに描きだすアナール歴史学の金字塔。
目次
第6章 書物の地理
第7章 書物の取引
第8章 書物、この酵母
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
28
書籍産業は、大資本家書籍商の指導下、大学都市と大商業都市で集中化(041頁)。産業といえば、本も例外なく、市場形成は都市や大学だったのだな。田舎や図書館は日本ではどうだったか、歴史総合でも調べていければいいのではないか。ポーランドで印刷された初書物は、ギュンター・ツァイナーの職人技による、トルケマーダ枢機卿(カトリック教会教皇最高顧問)の『詩篇集講解』(1474-5年、068頁)。また、ロシアでの印刷術は経路不明で流入とのこと(077頁)。そりゃ、広大な国土ゆえ、仕方ないだろう。2021/05/21
( ̄∀ ̄)
1
水車を使って紙を作ってた。 水車の軸にはカムっていう運動伝達用のleveがついてて、この動きで臼の中のぼろを叩いていく。 なんか、餅つきみたいだなって思ったけれど違うのかな2013/02/06