内容説明
漢の高祖(前206)から、新の王莽(23)まで、『史記』に次ぐ第二番目の中国正史『漢書』全100巻(現行120巻)。帝王の業績「帝紀」、系譜の「表」、文化・地理などの「志」、人々の事蹟「列伝」、その記述は、歴史における個人の役割を重視した。人々の生きざまを、その弱さ愚かさをも含めて克明に描き、人間の運命を洞察する歴史文学として底知れぬ魅力をたたえ、後世史家の範となる。水のみなぎって天にはびこるごとく、漢帝国を奪った王莽は英雄か賊臣か。第8巻は、王莽の出自と家系を語り、漢帝国の崩壊を描く圧巻。
目次
西南夷両粤朝鮮伝第六十五
西域伝第六十六
外戚伝第六十七
元后伝第六十八
王莽伝第六十九
叙伝第七十
著者等紹介
班固[ハンコ]
32‐92年。後漢の歴史家。扶風安陵(今の陝西省咸陽)の人。歴史家班彪の子。幼くして文章をつくり、長じてひろく典籍に通じた。のち、宮中の書籍の校訂や管理にあたる。父の志を継ぎ、二十数年を費して『漢書』を書く。晩年、皇帝に対する叛逆の陰謀にまきこまれ、連座して官位を剥奪され獄死した
小竹武夫[オダケタケオ]
1905~82年。金沢市に生まれる。京城帝大法文学部卒。金沢美術工芸大学教授などを勤める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
本巻には「西南夷両粤朝鮮伝」(65)から著者班固に至る班家の系譜「叙伝」(70)まで6篇が収録される。前漢末期の成帝の生母王政君からその甥新の王莽への前漢崩壊の時代が、南越(ベトナム)、衛氏朝鮮、西域(中央アジア)等の周縁情勢と中央での外戚争いの面から簡潔に記される。皇帝権力の弱体化を遠方地域と儒教社会の孝の規範から尊ばれた外戚に焦点を当てて婉曲的で慎重な記述する姿勢は、前漢再興を目指す初期後漢の意志も示唆する。歴史は、国家の中心を作り内外の差異を生む力が中心自身を崩す力と共に生み出されることを示す。2025/12/09
BIN
1
漢書をなんとか読みきりました。西南夷伝や西域伝はそこそこ楽しく読めたのですが、それ以外は結構きつかった。時代が近いということもあったのか漢書全般を通して王莽伝が一番長い。それにしてもころころ改名しすぎて、王莽自身全部覚えれていたのか不思議です。小心者ですし。漢書を読むのはなかな根気が入りました2014/03/23
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