ちくま学芸文庫<br> プルースト・印象と隠喩

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ちくま学芸文庫
プルースト・印象と隠喩

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480083791
  • NDC分類 950.28
  • Cコード C0198

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

58
絵を語るとはどういう事なのか。著者は人々が絵を語り始めた背景として、18世紀の感覚的なものへの関心や、独創・個性などロマン主義的な価値観が盛りあがった趨勢を指摘している。〝もの〟への畏敬が込められたシャルダンの静物画も、そうした思潮に位置づけられるらしいのだ。シャルダンの「食器棚」「赤えい」「自画像」をプルーストが文章化した例を見ると、視覚だけでなく聴覚、味覚、触覚、さらには過去や未来まで取り込んでいる。これは全てを等価に見るシャルダンの絵から学んだものであり、根底にはやはり〝もの〟への畏敬があるという。2016/05/19

うた

7
吉田秀和がプルーストについて、ぴったりくる比喩に出会うことで読者を幸福にするといったことを書いていたが、ではその比喩はどのように生まれることになったのか。若い頃に書かれた静物画家シャルダン論を源にして、当時主流であったゴンクール、ゾラ、バルザックといった写実主義と照らしながら、作家プルーストの文体の成り立ちを探っていく。外面だけでなく内的真実と結びついた印象とそれを表現するための技巧を極めた、しかし自然と思わせる文体。読者を恍惚とさせる理由が少しだけでも理解できたと思う。2024/12/29

Masa

1
「失われた時を求めて」を読んでいた時は幸福感に満たされていたように思います。それがどこからもたらされていたのか、読んでいた時は意識しなかったけれど、この本を読んで少し理解できたような気がします。本編同様、これも理解し難い部分がありましたが、理解半分でも腑に落ちるところ多でした。「見るには、全精神を絵に集中しながら、一方で心を虚しくして、そこに訴えかけてくるどんな微妙なものにも反応できる深い受動の状態に自分を置かなければならない」そのとおりです。2021/12/08

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