感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naoya_fujita
2
イロニーの倫理的正当化の部分には賛成できない部分が多い(その実践者の例として、イロニストの代表者たるキリストを出して正当化しようとするが故に、おそらくは、非キリスト教徒であるぼくには肯んじ難いのだ)。とはいえ、イロニーをこれだけ細かく分類している繊細さには学ぶところがあるし、分類自体は参照されてしかるべきであろう、と思った。危険でもあるイロニーの魅力を提示することには成功している。2015/07/12
symphonycogito
1
全てのことには裏がある。この本は「イロニー」というものをイロニカルに描くという、二重のイロニーを本それ自体で体現している。そしてそれは、「裏の意味」自体を徐々に壊していく運動でもあるのだが……。ジャンケレヴィッチはやはり確信犯だ。2009/10/14