内容説明
死をむかえる前、いのちの流れの切り替わる時というのがある。61歳に至り、昏迷のなかからその時を自覚した著者が、「からだ」と「ことば」を通して紡ぎ出してきた自らの軌跡をたどる。「他者」とのかかわりの歴史のなかから掬い上げる、「ことば」が孕んできたさまざまな思いや感情、「からだ」を解き放って、はじめて見いだした深い悲しみと愛…。独自の演劇活動と社会の歩みをふりかえる。
目次
プロローグ 六十一歳の越え方
1 はじめに「からだ」ありき(からだの海にざわめき立つ波;落穂捨て 一九四五 ほか)
2 レッスンへ(からだ、風のごとく;こえによって「よむ」ということ ほか)
3 他者への歩み(皐月の花はむらさきのいろ;援助するということ ほか)
エピローグ 断章―「愛」そして「他者」