内容説明
縦横に張りめぐらされた事件、糸のようにもつれ合う人物関係、さらに過去の物語の引用など、複雑な構成の『源氏物語』を読みこなすとは、すなわち、これらの錯綜する事柄を丹念に関係づけていくことである。初手より疑問を投げかける桐壺巻から、構築した世界そのものを喪失して閉じる夢浮橋巻まで、物語を読むことによって沸き起こる「なぜ」に答えつつ、この膨大かつ緻密なテクストを、体系立て、読み解く「方法」を示す、革新的な入門書。
目次
「方法」から冒頭場面を読む
重奏する藤壺事件
須磨流離と六条院
第二部の方法
方法としての第三部