ちくま学芸文庫<br> 英米哲学入門

ちくま学芸文庫
英米哲学入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 433,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480083050
  • NDC分類 133
  • Cコード C0110

内容説明

現代哲学の二大潮流―一つは、ラッセルおよびムーアに始まり、カルナップを中心とする論理実証主義を経て、クワイン、ストローソン、オースティン、そしてローティへと至る英米哲学の流れ。もう一つは、カントに始まり、ヘーゲルらのドイツ観念論へと展開し、ニーチェ、ディルタイからフッサール、ハイデッガーの現象学に至る流れである。ところが、カルナップやクワインを熟読する人はヘーゲルをけっして繙読しようとしないし、フッサールやハイデッガーを愛読する人はラッセルを忌み嫌ってやまない。英語圏の哲学とヨーロッパ大陸の哲学との分裂を克服すべく、英米哲学の基本的主張を原理的に捉え直し、展望する、格好の入門書。

目次

現代哲学への視点
英語圏の哲学とヨーロッパ大陸の哲学との分裂
哲学史的研究の方法態度
言語論的転回の前提とその基本態度
言語論的転回の成果と哲学の可能性
観念論論駁
常識の擁護
パラドックスと階型理論
記述の理論
論理的原子論〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

singoito2

11
読友フリウリさんきっかけ。同氏ののレヴューが的確なので、あえて駄弁は控えます。ズバリ!お奨めです。2023/07/08

フリウリ

7
ドイツ思想の大家である渡邊二郎さんの英米哲学批判、という体裁であり、その舌鋒は、時に苦笑いするほど鋭いものの、各哲学者の言説を丁寧に読みとき、評価すべきところは評価したうえでの批判なので、説得力があります。英米哲学と大陸系哲学は水と油の関係ではあるけれど、「私たちは、もっと読書力を発揮して、さまざまな現代の諸哲学を研究し、またそれらの考え方と対決してみなければならない」(p432)と、「あの」渡邊二郎さんがおっしゃることに、頭が下がります。ああ読書力! 92023/06/15

白義

4
批判的立場からの英米分析哲学入門として類いまれなる名著ですね。総論からムーアやラッセルを経てオースティンまでの思想解説もポイントをついていてお見事ですが、一番の眼目はカルナップ以来の大陸形而上学、存在論に対する冷遇へ猛反論している点。過激なようで思想理解の厚みがダントツなので、大陸と英米思想の対話の試みにきっちりなっています。大陸思想を学ぶ人は概して英米分析哲学に無知で、逆もまた真ですが、そういう人たちこそこの本からちょっと金槌で殴られるように入門するのがいいでしょう2011/06/07

せみ

3
最初は主としてローティに従って英米系分析哲学を総論的にまとめ、それからムーア・ラッセル・論理実証主義・ストローソン・オースティン等と年代順に辿っていきますが、個々の記述云々より、渡辺二郎がどのように理解していたかという点で興味深い本です。2011/05/31

有智 麻耶

1
ハイデガー研究者の手による現代英米哲学の入門書。批判的な立場からの論述といえど丁寧な読解によって論敵を理解しようとする姿勢は保たれている。読点の打ち方が独特かつ一文が長いところが多いため読みにくいのが難点。これと『構造と解釈』で20世紀の哲学については事足りるのではないかというくらい読み応えがあった(ただし、デイヴィドソンなどは扱われていない)。2019/08/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/208655
  • ご注意事項