ちくま学芸文庫<br> 売春の社会史〈下〉―古代オリエントから現代まで

  • ポイントキャンペーン

ちくま学芸文庫
売春の社会史〈下〉―古代オリエントから現代まで

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 413,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480082930
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0122

内容説明

あらゆる時代に、あらゆる地域で、売春は行なわれていた。太古から現代まで、また、ヨーロッパ各地からアジアやアメリカにいたるまで、売春の実情を十全に描き出し、掘下げ、さらに現代における社会政策への展開を模索する、初の本格的な世界通史。図版多数掲載。本書では、第九章「王侯と平民」から第十四章「変わりゆく二重規範」を収録したほか、索引・原註を掲載。

目次

王侯と平民
統制と現状維持
アメリカでは
医学とセックスと女性
廃娼運動と法律
変わりゆく二重規範

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

氷柱

5
1126作目。12月30日のみ。後半50ページが参考文献と注釈に充てられている。上下巻組みであることも含めてそれ程までに強度の高い作品なのであろう。但し外国の作品ということもあり日本については触れられていない。比較的現代寄りの歴史が述べられている。一大産業になるほどの需要があり、また供給があることに驚かされる。とは言えとっつきにくい分野であることに変わりはない。売春の歴史や仕組みについて学びたい方には是非おすすめしたい一作だ。2024/12/30

かめすけ

2
第十二章からより面白くなる。19~20世紀は特に医学と性が強く結びついた時代で、「正常」と「異常」を明確に分類した時代であった。男性が性的快楽を欲するのは「正常」で、女性はその反対という二重規範が強化されたのがこの時代だった。女性には性欲が「無い」とされていたのは、マルサスの『人口論』で述べられたような人口の急激な増加や、マルサスが言及しているような人口の急激な増加に対する出産規制(と表せばよいだろうか)が謳われていたという背景は無視できない。その結果、女性は「母」 「娼婦」の2種類にに分類された。→ 2019/07/14

吉倉槇一

2
彼らの論旨の核をなすキーワードは二重規範=ダブルスタンダードであり、これは男女が共同体内で担う役割の不均衡から生じる、普遍的とされてはきたが実は根拠の曖昧な誤った社会通念を指す。男性は女性よりも性欲が強く抑制が難しいとか、女性は良き母親としての義務を果たすために貞淑でなければならないとかいった本来不公平な通念が緊張を生み、売春を助長してきたと著者達は指摘する。2013/02/04

hitomicompile

2
下巻は医学との関係や廃娼運動など。19世紀当時の医学では売春も病気の一種であり医学という科学の力を使えば治すことができる、と考えられていたらしい。過度な性行為の危険性に対する当時「論理的」と思われていた議論も今読むと「なんだそりゃ!」と言う感じで驚いてしまう。その他、避妊方法の歴史、避妊賛成反対論などからも、当時の科学・医学レベル、そして女性運動家達の活躍等を知ることができて面白かった。2012/06/30

でら

2
どの時代、どの場所にも変態に区分される人はいたわけで、そういう人たちの性欲を満たすためには、売春は決してなくならないという結論が印象的。ただし、セフレという言葉が日常化している現代日本のように、性文化が放縦になればなるほど、変態以外の日常的な性的欲求のはけ口は確保しやすくなるので、売春から発生する利益(=利権)は減り、犯罪の温床と化する可能性は低くなる。世のセフレ達は好きでセックスしているわけだから売春ではないし、もっともっと性的に「自由」な世の中になればよいものだ。2011/12/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/296555
  • ご注意事項

最近チェックした商品