ちくま学芸文庫<br> ゲルマニア アグリコラ

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ちくま学芸文庫
ゲルマニア アグリコラ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480082787
  • NDC分類 230.3
  • Cコード C0122

内容説明

力強く簡潔な文体と精彩あふれる描写で知られるタキトゥスの二つの小品を収める。『ゲルマニア』は、当時ローマ帝国に北方から脅威を与えていたゲルマニアの諸部族に関する民族誌。風土、習俗、制度などについての概説と各部族の記述からなる。野性に満ちて強力なゲルマニア人と、文明化し過ぎ頽廃・衰亡への道を歩むローマ人を対比し、警告を発する。『アグリコラ』はタキトゥスの岳父を描いた伝記。暴君のもとでの貴族の生き方を示すとともに、ブリタンニア(古代イギリス)の地理や民族を詳しく記す。

目次

ゲルマニア(第1部 ゲルマニアの風土、民族、習慣、制度について 第2部 ゲルマニアの諸部族について)
アゴリコラ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モッチー

5
古代ローマの史家タキトゥスの著作のうち、『アグリコラ』『ゲルマーニア』の二編を収録した本。『アグリコラ』は、彼の岳父アグリコラの伝記であり、アグリコラのブリタンニア遠征での幾多の活躍を描きつつ、ローマ貴族の道徳に適った理想的な生のあり方を示すものともなっている。『ゲルマーニア』で描かれるゲルマーニア人の質素で自由な気風もそうだが、タキトゥスの文章にはローマ社会の退廃を嘆き、諫めるようなところがある。しかし、臨場感のある筆致のためか、説教臭くなりすぎていないところが、タキトゥスの文章の優れた点といえようか。2021/03/22

ハルバル

5
「ゲルマニア」は岩波文庫版の訳注を参照しながら読んだ。訳文の読みやすさと地図の見やすさはこちら、より正確さを求めるなら岩波版だろうか。最新の考古学的知見を踏まえた新訳が欲しいところだ。「アグリコラ」はタキトゥスの岳父の伝記。ブリタニア総督時代の遠征に多くを割くものの、ある種の生き方指南書というか、彼が記す通り「悪い元首の下でも人は高潔に生きられる」ことを示した書。ストア派信奉者のように元首に逆らうでもなく、追従者に堕するでもなく、良く言えば中庸、悪く言えば妥協の生き方を勧めている。2015/09/29

弾十六

3
原著AD98年作。文庫1996年。 義父アグリコラを称揚する伝記とゲルマニアについての考察。いずれも自分の知見を大切にしている著者の簡潔な表現が心地良いです。不明点は潔くわからないと言うスタイルが素晴らしいですね。翻訳も最上級品で、長い引用の注釈も親切です。簡潔で冷静な文体ですが、行間には熱い心が… 行間に隠れた意味を十分理解するには、もっと知る必要がありそうです。2025/04/16

サアベドラ

3
タキトゥスの辺境を扱った短編2編が収録されています。「ゲルマニア」の方は、ローマ人から見たゲルマン人の姿が語られます。固有名詞がかなり多いのでちょっと苦労しますが。「アグリコラ」のほうはブリタンニアを平定した総督アグリコラの伝記です。有名な「ローマ人は破壊と略奪の果てに、荒涼した大地をして平和と名づける」というカルダクス演説が含まれます。岩波文庫の「ゲルマーニア」より訳はいいと思うし、アグリコラとあわせて読んだほうがタキトゥスの文明観への理解が深まると思うのですが、残念ながら絶版です。2008/09/21

こひた

2
ゲルマニアの貞淑さや無骨さ描写は「ローマが退廃してる!」意識前提で出羽守感、アグリコラは政治的背景もあるが反骨も諂いもほどほどにねという現実主義肯定、それに留まらない含蓄もある。当時の研究水準でタキトゥスの一次資料的勘違いを補足してくれてる。2023/05/05

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