出版社内容情報
第四十「季布欒布」から「李将軍」「匈奴」「南越」「東越」「朝鮮」「西南夷」「司馬相如」まで。
内容説明
中国の古典中の古典ともいうべき『史記』の全訳。「列伝」は、みずから歴史に参加し、国家・社会に強い影響を与えた人間たちの行為や言辞を伝える。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
20
列伝も3巻目。項羽と劉邦が争った時代も過去となり、戦乱の時代から、安定、発展の時代へと入っていく。中原に軍馬を馳せた英雄たちも窮屈な社会で締め付けられ、また、戦争を知らない世代も台頭してくる。2000年前とは言え、大過を犯さず、円滑な運営を是とする社会は、現代の人間模様と似通っている気がして、破天荒なエピソードが少なくなってくる分、胸に迫るものが多かった。また、司馬遷が生きた時代と並行した頃の記述となってくると、原資料等が多くなってくる。歴史の眼を持つ人は、現代の社会をも鋭く見通していけるのだなと感じた。2016/08/24
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
5
司馬遷は李将軍について賞賛している。彼の人生を決定的にした男だが、歴史家としての記述に徹したと言うことだろうか。匈奴や南越、夜郎といった異民族と漢との戦いが描かれ、武人の過酷さも分かる。そして注目すべきは彼ら異民族にそこそこ紙幅が割かれている為に民俗学的史料としても貴重だ。特に匈奴の婚姻制度は女性が男性の付属品のような扱いである点も含めて、日本との類似もあって興味深い。 他には衛氏朝鮮についても言及があり、伝説的な箕氏朝鮮と共に、朝鮮が確かに中国を起源に持つことが明らかにされる。→続く2021/11/05
ヴィクトリー
2
有名どころは衛青と霍去病か。でも、今ひとつ衛青の人となりが見えてこない。衛青は「生まれつき仁慈・善良・謙譲で、温和な従順さをもって自ら主上に媚びる風があった。しかし、天下に彼を称讃するものはいなかった」とあるのは何故なのだろう。皇帝に媚びたからなのか、皇帝に遠慮して賢人を賓客として招かなかったからなのか、人の上に立つ事が板について無くて、周りの人から軽んじられがちだったのだろうか。二人の間柄もどういう感じだったのかも分からない。同時代ゆえかえって書きにくかったり、分かりにくかったりしたのだろうか。2014/12/09
BIN
2
前漢と蛮族の列伝。やはりメインは衛青、霍去病。それにしても武帝の時代は本当に丞相クラスがころころ変わっているのが印象的。2012/03/08
Kenji Suzuya
1
呉楚七国の乱のあった、景帝の時代から、最盛期の武帝に至る時期を扱う。李広、衛青、霍去病など、匈奴征伐で名を馳せた面々が含まれる。2017/04/15
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