内容説明
古来、多くの人びとに親しまれてきたギリシア神話の神々―ヘルメス、デメテル、ヘラ、アテナ、アプロディテ、アルテミス、アポロン、ディオニュソス、ゼウス、とりわけ海神ポセイドンを中心として主だった神々の系譜と実像を、歴史、文芸、美術、考古学の観点からあとづけつつ神話の本質に迫る。
目次
1章 ヘルメス
2章 ポセイドン
3章 山の母
4章 デメテルとコレ―大地の母と大地の乙女
5章 「贈物の与え手」としての処女神たち―ヘラ、アテナ、アプロディテ
6章 アルテミス
7章 アポロン
8章 ディオニュソス
9章 ゼウス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
ポセイドンに多くページが割かれている。ポセイドンが馬の神でもあり、雄牛の神でもあったこと。漁労民だけでなく、農耕民、牧畜民にとっても崇拝されていたことなどを解き明かしていく。「ポセイドンとの間にペカソスを生んだメドゥーサは、たいてい人間の顔を与えられています。…ところが、ある一つの遺物、ルーヴル美術館にあるボイオティア様式のアンフォラでは、なんとそのメドゥーサが、女人の顔ではあるものの、馬の身体をしているのです。彼女は馬の女神であり、だからこそ、《馬=ポセイドン》に格好の花嫁なのです。」2025/05/13
ふたば
1
さらっと再読。芸術・信仰・古典学者のジェーン・エレン・ハリソンによる古典的な神話学入門書(確か1924年の本の翻訳)。古代ギリシアの主だった神々の系譜をたどり、神話の本質に迫ろうとする。歴史・文芸・考古学など多岐にわたる観点から、神々の性質が浮かび上がり、またそれらを信仰する人々の姿が見えるのが面白い。2013/06/05