内容説明
憲法第九条と日米安保のはざまで、自衛隊は世界第三位の軍事費を有するに至った。けれども、警察予備隊から保安隊を経て自衛隊の拡大強化への過程は、国民的合意に支えられたものではなく、既成事実とその追認の積み重ねの上になされてきた。創設以来の40年に及ぶ再軍備の過程を、資料と証言によって検証する。
目次
1 草創(「日本再軍備」命令;警察予備隊発足;旧軍人登場;憲法の空文化;海軍は断絶せず;防衛大学校開校 ほか)
2 発展(国防の基本方針;防衛産業の始動;新安保体制下の自衛隊;中曽根防衛庁長官;基地の町・佐世保2)
3 何処へ?(ハト派は勝ったのか?;「ソ連の脅威」と「ガイドライン」;「栗栖発言」の波紋;シーレーン防衛―点から線へ、線から面へ;遅れてきた軍事大国;基地の町・佐世保3)
4 冷戦のあとに(「戦力」とは何か?;自衛隊違憲訴訟;徴兵制;グラマン・ロッキード戦争;兵器の上限;三無事件 ほか)