ちくま学芸文庫
ニーチェ全集〈別巻2〉ニーチェ書簡集2 詩集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 644,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480081322
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0110

内容説明

『ツァラトゥストラ』によって「永遠回帰」の思想に到達したニーチェは、晩年の思索のなかで「権力への意志」「超人」「一切の価値の価値転換」といった中心思想を次々と叙述していく。いわゆる《後期の思索》の時期といわれる1884年から1889年まで、精神錯乱に至る6年間の書簡を掲載する。また、ニーチェの哲学と不即不離の関係にあるといわれる詩的表現。若々しいパトスを表出した初期詩集から、『悲劇の誕生』『ツァラトゥストラ』を貫く「ディオニュソス頌歌」まで、生涯にわたって続けられた詩作の跡をたどる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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3
**哲学・上下巻感想**哲学ネタSF読解の為読了。永遠回帰の思想に到達したニーチェだが、超人の身ではない彼にとってその道は苦難に満ちたものだった。身近な家族や友人に対しては弱音も愚痴も吐露する。等身大の人間ニーチェが垣間見える書簡集と詩集――親しい者に自己を理解して欲しい願望を格言的な言葉に込めている。その為、非常に分かり易く丁寧な言葉で綴られている。また、本書から引用されたSFも非常に多く最後のキメ台詞すらある。SFファンにとってはネタバレ御免の危険な本。しかしニーチェ個人を知る上では非常に重宝します。2012/12/08

roughfractus02

2
著者によればディオニュソスはアポロンと対を成すゆえに、人間の合理性をあざ笑う不条理または運命と呼ばれるランダムな偶然をギリシャ人たちに告知できた。一方本書では、ディオニュソスを讃美する著者の筆致に運命以上のカオスが訪れる。最初は異様な高揚、次に狂気、さらに沈黙への移行がそれを告げる。手紙では誇張された形容句から一人を指示する複数の固有名の羅列の後、文字が途切れ日付も消えることで表現される。文字と抗争を続けていた余白が著者のペンを奪って眼前に広がる時、読者は常にディオニュソスを目にし、指で触れていたと悟る。2017/08/15

 

1
「私が人間であるということは、一つの偏見です。しかし私はすでにしばしば人間どものあいだで生きてきました。そして人間の体験することのできる最低のものから最高のものまですべてを知っています。私はインド人のあいだでは仏陀で、ギリシアではディオニュソスでした、──アレクサンダーとシーザーは私の化身で、同じものでは詩人のシェークスピア、ベーコン卿。最後にはなお私はヴォルテールであったし、ナポレオンであったのです。多分リヒャルト・ヴァーグナーでも……しかし今度は、勝利を収めたディオニュソスでやってきて、大地を祝いの日2017/01/20

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