内容説明
流入する外国人労働者、海外へ出るビジネスマン。国際化の進展とともにあらわになった「外国人に理解できない独特の日本語」という日本人の自国語への閉ざされた意識を批判し、ことば本来の力を解放する方法を提示する。国際化のなかの日本語を国家との関係で考える現代日本語イデオロギー批判。文庫収録にあたっては、新たにソ連邦の崩壊と民族語のゆくえについて論じた二編を増補した。
目次
「宗主国家語」をこえて―日本語の「国際化」をめぐるイデオロギー状況
かわいい日本語に旅をさせよ
国際化時代の日本語
英語の呪縛
ことばと権力
新しい「文化方言」の試み―読本『にんげん』を読む
西洋人はシナ語をどう見てきたか―アウグスト・シュライヒャーのばあい
「蘭」からたちのぼる政治の香り
ソ連邦の崩壊と民族語のゆくえ
愛のカタカナ
今、エスペラントが問いかけるもの
左翼小児病とはどんな病気か?
ことばの本いくつか