内容説明
魏の武帝曹操は、蜀の劉備や呉の孫権よりも遙かにスケールの大きい人間であった。彼には乱世を生き抜く知力とバイタリティー、決断力があり、さらに人を引きつけ受け入れる磁力と度量があった。文武両面の人材を擁しえた所以である。本冊には「魏書」第七から第十三まで、すなわち曹操初期のライバル、呂布や陶謙、曹氏一族の武将、曹仁・曹洪や夏候淳、知識人の名ブレーン、鐘〓らの伝を収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
43
興味ある人物が続々と出てきます。特に曹操のスケールの大きさには唸らされます。2023/01/02
つみれ
37
正史をゆるゆると読んでいる。1巻に続き魏書を扱う。やはり裴注の存在が三国志の可能性を大きく広げたということを改めて実感する。陳寿が慎重に史料吟味を行ったことから、本来三国志の記事は非常に簡潔だといわれる。裴松之の多少信憑性を欠いても異説をなるべく掲載するという姿勢や散逸史料からの引用などは陳寿の潔癖性をいい意味で補い、三国志世界の物語性を高めたという意味においても貴重だ。列伝は類似性を持つ人物を同じ伝に収録するものだが、荀彧、荀攸、賈詡をひとまとめに扱った陳寿の類別に対する裴松之の批判が極めておもしろい。2019/06/01
Y2K☮
37
曹仁は「銀英伝」の鉄壁ミュラーか。赤壁勝利後の周瑜の勢いを止め、渭水の南で馬超を破り、樊城では関羽と粘り強く戦って屈しなかった。代々の婚姻関係がある夏候惇や夏侯淵も含め、親族にかくも優れた将軍がいたのは曹操の幸運だし、有能な部下の声を積極的に軍や政治に反映させた彼はやはり稀代の英雄。ただそんな曹操も晩年に及ぶと讒言に惑わされて真摯な者を罰する愚挙が見られる。独裁者の限界。あと韓浩や国淵ら知名度の低い人材の功績と孔融や公孫瓚など小説で善設定された者の裏の顔に驚く。呂布も欲に弱いけど狡猾さが無い分まだマシか。2016/10/23
みや
31
陳寿の本文、裴松之の注釈、訳者の注釈を往復するのでテンポに乗るのが難しい。読むのに時間は掛かるが、人物ごとにエピソードが語られるのは様々な主人公の物語を読んでいる感覚で非常に楽しかった。「お前、誰だよ!」な人も多く、その人が居なければ歴史が変わっていたかもしれないと考えると一人一人の尊さを感じる。荀彧と曹操のすれ違いは後世の小説よりも分かりやすいが、裴松之は「下品なかんぐり」「でたらめな記述」と言いきっており、そのまま信じては駄目なのだろう。きっと当事者二人以外は永遠に誰も分からない。何晏が最高に可愛い。2019/07/19
たぬ
22
☆3.5 読むのにものすごく時間がかかるんで途中から注釈はざっくり読みに変更。今は「誰がいつどこでどうした」がわかればいいから君主の心構えだとかの長尺な科白は後回しでいいや。相変わらず処刑のハードルが低すぎるけど(筆頭は曹操が曹植の嫁に「その服装は規律違反だ」と死刑宣告)、反対意見を述べるにしても毅然とした態度で堂々としている者は逆に気に入られて後に重用されたりしてる。2022/08/06