出版社内容情報
国家はどう決断し、軍はいかに戦ったか
現代の戦争と
安全保障を考えるための
迫真の戦記
台湾有事が予測されるなか、フォークランド戦争が注目を集めつつある。この戦争は第二次世界大戦後、唯一の陸海空全ての次元で戦われた総合的な近代戦であり、仮に台湾で開戦されれば似たような作戦が展開されると想定されているからである。
そこで、フォークランド戦争を政略、戦略、作戦、戦術、術科/技術の五つのレベルで分析し、それらを作戦術で結びつけて考察。なぜ戦争が起き、勝敗が分かれたのかを立体的に描き出し、そこから我々が何を学ぶべきかを導き出す迫真の戦記。
【目次】
はじめに――あらゆる要素が詰まった戦争
Ⅰ 環境形成
第1章 戦争への道
1 領有権問題の起源
2 国際社会と外交交渉
3 英国の状況――衰退の只中で
4 アルゼンチンの国内事情――軍事独裁と経済危機
5 アルゼンチンの戦争準備――一九四〇年代からアズール作戦まで
6 島民の立場
7 南ジョージア島事件
8 開戦前夜
9 本章のまとめ――戦争はどのように「不可避」になったのか
第2章 開戦と初動
1 アルゼンチン軍編成と作戦準備
2 一九八二年四月二日の上陸作戦
3 アルゼンチンの勝利宣言と国内反応
4 英国政府の危機対応
5 機動部隊派遣
6 コーポレート作戦の指揮・統制(C2)
7 国際社会の反応
8 両国の初期戦略と見通し
9 機動部隊の航海――前進基地アセンション島と長期航海
10 本章のまとめ――開戦はどのように「現実」になったのか
Ⅱ 攻撃
第3章 制海権を巡る戦い
1 南ジョージア島奪還
2 潜水艦の投入と抑止力
3 ジェネラル・ベルグラノ撃沈
4 守護神シーハリアー――滑走路がなくても飛べる戦闘機
5 アルゼンチン空軍の攻撃と英国の被害
6 ロジスティクスをめぐる攻防
7 防空・制海のバランス
8 制海権確立の意義
9 本章のまとめ――制海権とは「戦争を動かす行動の自由」の確保である
第4章 制空権を巡る戦い
1 アルゼンチン空軍の戦力と戦術
2 シーハリアーの防空任務
3 初期の航空戦と「メイデイの空戦」
4 ブラック・バック作戦――バルカン爆撃機の遠征
5 エグゾセとシェフィールドの悲劇――「低空・高速・自律誘導」という新しい恐怖
6 アルゼンチン空軍の波状攻撃と不発の皮肉
7 英国艦隊の防御網の限界――装備・整備・電子戦・人間
8 シーハリアーの多任務化とロジスティクスの課題――空の戦いは「補給」と直結する
9 制空権の不完全性と勝敗を分けた消耗の帰結
10 本章のまとめ――制空なき戦いの帰結
第5章 上陸作戦――サン・カルロス湾



