ちくま新書<br> フォークランド戦争

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フォークランド戦争

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  • サイズ 新書判/ページ数 320p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480077530
  • NDC分類 391.2
  • Cコード C0231

出版社内容情報

国家はどう決断し、軍はいかに戦ったか



現代の戦争と

安全保障を考えるための

迫真の戦記



台湾有事が予測されるなか、フォークランド戦争が注目を集めつつある。この戦争は第二次世界大戦後、唯一の陸海空全ての次元で戦われた総合的な近代戦であり、仮に台湾で開戦されれば似たような作戦が展開されると想定されているからである。



そこで、フォークランド戦争を政略、戦略、作戦、戦術、術科/技術の五つのレベルで分析し、それらを作戦術で結びつけて考察。なぜ戦争が起き、勝敗が分かれたのかを立体的に描き出し、そこから我々が何を学ぶべきかを導き出す迫真の戦記。


【目次】

はじめに――あらゆる要素が詰まった戦争



Ⅰ 環境形成

第1章 戦争への道

1 領有権問題の起源

2 国際社会と外交交渉

3 英国の状況――衰退の只中で

4 アルゼンチンの国内事情――軍事独裁と経済危機

5 アルゼンチンの戦争準備――一九四〇年代からアズール作戦まで

6 島民の立場

7 南ジョージア島事件

8 開戦前夜

9 本章のまとめ――戦争はどのように「不可避」になったのか



第2章 開戦と初動

1 アルゼンチン軍編成と作戦準備

2 一九八二年四月二日の上陸作戦

3 アルゼンチンの勝利宣言と国内反応

4 英国政府の危機対応

5 機動部隊派遣

6 コーポレート作戦の指揮・統制(C2)

7 国際社会の反応

8 両国の初期戦略と見通し

9 機動部隊の航海――前進基地アセンション島と長期航海

10 本章のまとめ――開戦はどのように「現実」になったのか



Ⅱ 攻撃

第3章 制海権を巡る戦い

1 南ジョージア島奪還

2 潜水艦の投入と抑止力

3 ジェネラル・ベルグラノ撃沈

4 守護神シーハリアー――滑走路がなくても飛べる戦闘機

5 アルゼンチン空軍の攻撃と英国の被害

6 ロジスティクスをめぐる攻防

7 防空・制海のバランス

8 制海権確立の意義

9 本章のまとめ――制海権とは「戦争を動かす行動の自由」の確保である



第4章 制空権を巡る戦い

1 アルゼンチン空軍の戦力と戦術

2 シーハリアーの防空任務

3 初期の航空戦と「メイデイの空戦」

4 ブラック・バック作戦――バルカン爆撃機の遠征

5 エグゾセとシェフィールドの悲劇――「低空・高速・自律誘導」という新しい恐怖

6 アルゼンチン空軍の波状攻撃と不発の皮肉

7 英国艦隊の防御網の限界――装備・整備・電子戦・人間

8 シーハリアーの多任務化とロジスティクスの課題――空の戦いは「補給」と直結する

9 制空権の不完全性と勝敗を分けた消耗の帰結

10 本章のまとめ――制空なき戦いの帰結



第5章 上陸作戦――サン・カルロス湾

内容説明

台湾有事が予測されるなか、フォークランド戦争が注目を集めつつある。この戦争は第二次世界大戦後、唯一の陸海空全ての次元で戦われた総合的な近代戦であり、仮に台湾で開戦されれば似たような作戦が展開されると想定されているからである。そこで、フォークランド戦争を政略、戦略、作戦、戦術、術科/技術の五つのレベルで分析し、それらを作戦術で結びつけて考察。なぜ戦争が起き、勝敗が分かれたのかを立体的に描き出し、そこから我々が何を学ぶべきかを導き出す迫真の戦記。

目次

1 環境形成(戦争への道;開戦と初動)
2 攻撃(制海権を巡る戦い;制空権を巡る戦い;上陸作戦―サン・カルロス湾;スタンリーへの道―陸戦の展開と試練)
3 回復(スタンリー陥落と停戦;戦争の帰結と教訓)

著者等紹介

北川敬三[キタガワケイゾウ]
1968年山口県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授。米国海軍兵学校卒業後、海上自衛隊入隊。護衛艦まつゆき艦長、在英国防衛駐在官、第二護衛隊司令、海上幕僚監部海上防衛戦略室長、海自幹部学校防衛戦略教育研究部長などを歴任。元一等海佐。防衛大学校総合安全保障研究科修士課程修了。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

138
フォークランド戦争における英国とアルゼンチンの政治、戦略、戦術面での思惑と戦場の実態を分析し、勝敗の天秤がどちらに振れてもおかしくなかった事実を明らかにする。この3点全てでアルゼンチンは英国より劣っていたが、本土からの近さを利した逆転の目はあった。しかし人気取り優先で十分な準備ができないまま拙速な攻撃計画を強行し、最後は軍隊の質という人的側面で敗れたのだ。ただ英本土から1万㌔以上離れた派遣艦隊へのロジスティクスについて、湾岸戦争時の米軍より苦労したはずなのに簡単に触れる程度で済ませていたのは手落ちだろう。2026/07/16

kk

33
1982年のフォークランド戦争について、紛争の背景から停戦・帰結に至るまで、主として英国側の観点に立ち、政略・戦略・作戦・戦術・術科/技術の各レベルに着目しつつ叙述・分析。開戦判断、遠距離投射・展開、制海権の確保、航空優勢の模索、上陸作戦、陸上戦闘、停戦処理の各段階毎に、その時々の課題・考慮要素・判断・教訓等を分かりやすく解説。その上で、本事案の今日的教訓を改めて考察。些か結果論的な香りも無しとはしないものの、全体として論旨は極めて明確であり説得力あり。論の運びも綿密かつ実証的。稀に見る好著と感じました。2026/07/19

よっち

27
第二次世界大戦後唯一の陸海空総合近代戦として再び注目を集めるフォークランド戦争を、政略・戦略・作戦・戦術・技術から多角的に分析した1冊。1982年、アルゼンチンがフォークランド諸島を突然占領。1.3万km離れた英国が機動部隊を急派して激闘の末に奪還した74日間の戦争で、領有権問題の起源と当時の英国とアルゼンチンの背景、遠隔島嶼奪還のロジスティクス、指揮統制、不完全な制空下での橋頭堡構築、消耗戦の帰結だけでなく民主主義国家の迅速な意思決定、志願兵の練度と士気、技術と人間の観点から解説する興味深い1冊でした。2026/07/14

鐵太郎

25
米国海軍兵学校政治学科卒業後に自衛隊に入隊し、1等海佐、第2護衛隊司令まで勤めた著者が、政治・軍事の視点から、いまフォークランド戦争を振り返ったもの。単なる事実の羅列ではなく政略・戦略・作戦・戦術・術科/技術の五段階で分析する、とのこと。いわゆる「30年ルール」により国防極秘情報が閲覧可能になったこと、台湾情勢などがあり、再びあの戦争を見直すよい機会と見たのか。──とはいえ、難点が二つ。地図がわかりづらく見にくいこと、同じ文章の繰り返しが多いこと。「女将を呼べっ、この本の編集者は誰だっ」と言ってみたい。笑2026/06/23

ジュンジュン

18
アルゼンチンの「脱植民地化」、イギリスの「衰退否定」という大義が激突したフォークランド紛争。サッチャーの「鉄の意志」の舞台裏で、勝敗を決した本質は何だったのか?本書は地球の裏側への超長距離補給というロジスティクスに焦点を当てる。読む前は「サッチャーのリーダーシップ」の文脈でしか知らなかったので、彼女の決断を支えた組織や兵站から再定義した本書は新鮮だった。元自衛官(海自)の著者ならではの分析もロジカルで良し。2026/07/13

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