ちくま新書<br> ぼっちのアリは死ぬ - 昆虫研究の最前線

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ちくま新書
ぼっちのアリは死ぬ - 昆虫研究の最前線

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480076809
  • NDC分類 486.7
  • Cコード C0245

出版社内容情報

すみっこはよくない。

孤立したアリは、なぜ早死にするのか? 分子生物学で、その謎を解く!



集団をつくり、他者との関わりをもって生きていこうとする性質である「社会性」……本書では、昆虫が苦手だった筆者がすっかり魅了され、10年以上にわたって見つめてきた、アリの不思議な世界をご紹介します。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえぽん

50
産総研主任研究員によるアリの社会性研究に係る著作。アリは女王アリ・労働アリのカーストの存在などから霊長類とは区別される真社会性を持つとされ、個体間の栄養交換や、年をとるとコロニーから外勤に変わる齢依存的な労働分業を行うとする。1944年の孤立アリの早死に係る論文の検証を行い、壁際での滞在という行動変化が脂肪体での活性酸素の発生とそれによる短寿命に関係していることを立証。労働アリが女王アリから離れるのは子孫を残す機会を失わせるもので、ヒトの孤立とは異なるが、孤立の影響の探究にアリが役立つのか関心を持ちたい。2025/05/24

ばんだねいっぺい

26
非常にあっさりとした文章で驚くほど読みやすい。孤立アリの研究結果は、割合、はっきりと出ており、寿命を伸ばすヒントがあると感じた。2025/05/23

tom

21
一匹だけにされてしまったアリは、壁の隅に張り付いて、あっというまに死んでしまう。このことは80年前にレポートされていた。留学先のローザンヌでちょっと行き詰っていた著者は、このレポートを知って研究を始める。きっと最初は何でという不思議感だったと思うのだけど、著者は、薬学と発生生物学、分子生物学の研究者、様々な技法を使って孤立環境→脂肪体での活性酸素の発生→短寿命の流れがあることを示す。右から左から、裏から表から、この命題を検証する過程がとても面白い。留学して結婚して妊娠して、それでも研究を続けた筆者に敬意。2025/07/08

10
一匹だけ別にされると、すみっこに行きたがり、早死にしてしまうありんこ。人間とは意味合いが違うとはいえ、なんだか切ない。2025/06/11

そうたそ

8
★★★☆☆ 孤立したアリはなぜ早死にするのか、という謎をアリという生き物の不思議な世界とともに解説してくれる一冊。至ってシンプルな内容の一冊であるが、その研究の中身は深い。平易な文章で解説してくれている上に、程よい長さ。非常に手に取りやすい一冊。社会性が寿命に結びつくとはつくづくアリも大変な生き物だと思う一方で、ぼっちでいいじゃん!と開き直れる分、ヒトという生き物は気楽なのかもしれない。どこかアリに愛着のわく一冊でもあった。2025/05/27

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