出版社内容情報
頂点に凝縮する格差社会のリアル
学力格差や体験格差が深刻化する日本の教育。そんな中、入試難易度や威信という点においてトップに君臨しつづける東京大学に進学するのはどんな人たちなのか。学歴エリートはどこからきてどこへ行くのか。中高一貫男子校出身者の多さや地方女性の少なさの実態、親の学歴、家庭環境や文化経験、卒業後の職業・年収・役職、結婚や子育て、そして社会意識や価値観まで。東大卒業生を対象に行われた大規模な独自調査のデータから明かされる、学歴エリートの生態と格差社会のリアル。
【独自調査から徹底検証! データから読みとく学歴エリートの実態】
こんなに多い!中高一貫男子校出身者/幼少時の読書や文化経験は?/地方女性という困難/親の学歴はどう影響している?/就職・年収・役職/「東大女性は結婚できない」は本当?/学歴エリートの偏った社会意識……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
トップに君臨し続ける東京大学に進学するのはどんな人たちなのか。卒業生を対象に行われた大規模な独自調査のデータから明かされる学歴エリートの生態と格差社会のリアル。中高一貫男子校出身者の多さや地方女性の少なさの実態、親の学歴、家庭環境や文化経験、卒業後の職業・年収・役職、結婚や子育て、社会意識や価値観、そして東大が取り組んでいることまで、様々な分析を通して地方出身東大女性や大学第一世代が置かれている困難さ、東大卒のキャリア形成や家族形成、東大卒は社会をどう見ているかなど、いろいろなことが浮き彫りになりますね。2025/05/05
sk
7
東大卒女性は平均より結婚できている2025/04/26
ケンミ
3
本書は東大を「学歴エリート」を産出する典型的な機関と位置付け、ほぼ初めて行われた東大卒業者への包括的な社会調査を元に、日本の学歴エリートの実像を明らかにすることを試みる。特に第一章、第二章は私にとって自分ごとの問題であり、興味深く読んだ。かつての経験からfirst generation の概念については知っていたので、日本ではほぼ議論されていないことに驚いた。また3章の東大卒の仕事、4章の東大生の結婚の部分は、それぞれステレオタイプに一石を投じる内容なのではないかと思う。今後さらに研究されることを願う。2025/05/15
sucksuckhello
2
職場で東大出身の人が多い、というだけで手に取ってみた一冊。いい意味でとても地味な本で、奇抜な個別のエピソードにフォーカスすることなく、東大生に貼られるレッテルを統計や社会学の見地から丁寧に剥がしていく。この国1番のエリートを養成する大学が、メリトクラシーに支配され、男性中心・東京中心である構造を温存し続けている様も見てとれ、日本の問題の縮図のようにも思った。かつて上野千鶴子が入学式の演説で軽く炎上していた記憶があるが、そんな感じは温存されていそう。2025/06/19
ひのき
1
東大の中で女子が生きづらいというのは他の本を読んで気づいていたけれど、家族で初めて大学に入った第一世代もそうなのかと知った。ただ、親が高卒で子どもが東大っていうのは、親も賢かったけど機会がなかったから?どう育てたら東大に入れる子が育つのか知りたい…私は地方の国立だったけど、やっぱり慶應とかあと聖心女子大とか世界が違いそうで無理。しかし庶民の学校に次期天皇候補が来ていて、どうなっちゃってるのか気になる。2025/06/06