出版社内容情報
「ふつうの結婚」なんてない。
結婚の歴史を近代から振り返り、事実婚、パートナーシップなど、従来のモデルではとらえきれない家族のかたちを概観する。
内容説明
結婚をめぐる常識は、日々変化しています。事実婚、ステップファミリー、同性パートナーシップ、選択的シングルなど、一対の男女による結婚→出産というモデルではとらえきれない家族のかたちがたくさんあるのです。この本では、国際比較、歴史的比較、理論という三つの視点から、結婚というものを解き明かしていきます。当たり前を疑ってみることで、「ふつうの結婚」「ふつうの家族」という考え方を相対化できるはずです。
目次
序章 「結婚」を疑う
第1章 結婚の近代史
第2章 結婚の現代史
第3章 離婚と再婚
第4章 事実婚と夫婦別姓
第5章 セクシュアル・マイノリティと結婚
終章 結婚の未来
著者等紹介
阪井裕一郎[サカイユウイチロウ]
1981年、愛知県生まれ。慶應義塾大学文学部准教授。専門は家族社会学。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。福岡県立大学人間社会学部専任講師、大妻女子大学人間関係学部准教授を経て、2024年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kitten
18
図書館本。これは面白い。範囲が広いため色々な話題を詰め込んでいるが、少子化対策の話はなし。そもそも、結婚とはなんぞや?家族とは? 友達と家族になれないの?日本の事実婚は、他国とは全然違う。夫婦別姓、LGBT、同性婚。家族観が壊れるのを恐れられるので、なぜか進まない話題ばかり。合理的に考えるとなぜ進まないのかまるで理解できんが、どうすればいいんだろ。みんなと違って、なんか問題でもあるのか?2024/05/30
しゅん
15
「結婚」の価値観変化の歴史。江戸期は若者が「夜這い」によって結婚を調整しており、「家」による統制がなかった。明治期に、欧米の価値観を導入する中で「夜這い」を排除し、「家」制度による結婚が一般化し、天皇を中心とするひとつの一家としての日本国がイメージされる。戦後には会社婚が一般となり、現在ではマッチングアプリが一般化する。2024/06/07
Inzaghico (Etsuko Oshita)
14
「なぜ友だちとは家族になれないのか」では「ケア」が論点になっている。2017年のアイルランドの同性婚を取り上げているが、ここでの当事者は恋愛関係になく、友人で、83歳の男性が、自分のケアをしてくれている友人の58歳の男性と結婚式を挙げたのだが、その理由が、自分が亡くなったあとに家を譲渡するため、だった。「同性婚の悪用」という声があがったというが、恋愛感情があるのが既存の「正しい」家族のあり方、というくだりで、軽く頭を殴られた気分になった。 「正しさ」は絶対不変のものではなく、時代によって変わっていく。2024/08/17
じゅん。
14
そもそも自明とされてる結婚観を疑問視して、「皆んなが結婚の枠に入れるように対策する」のではなく、そもそもの結婚観を見直すと言う視点を進める。普段なら意識しないだろう夫婦別姓やジェンダーなどを意識するきっかけになった本。2024/08/04
ひめぴょん
13
常識を疑うのが社会学。個人と社会の関係を問う学問であるとも。そういう社会学的考え方を「結婚」に適応してみた本。常識を疑うことは社会の「別のあり方」「よりよき社会」を考えるツールになる。激しく大きく変化する時代にあって、結婚という制度が生む税制上のメリットを享受するためにという視点からの変貌が予測されるようでもあった。たくさんの切り口があり、面白い本だった。以下は文中引用。 「結婚する人が減る→子どもが減るではない」→婚外子の存在。欧米では婚姻以外の共同生活保障制度が確立されてきた。出産・子育ても婚姻制度→2024/09/21