ちくま新書<br> ブッダという男―初期仏典を読みとく

電子版価格
¥880
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

ちくま新書
ブッダという男―初期仏典を読みとく

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480075949
  • NDC分類 182.8
  • Cコード C0215

出版社内容情報

ブッダは平和主義者でもなければ万人の平等を唱えたわけでもなかった?! これまでの解釈を斥け、初期仏典の丹念な読解からその先駆性に迫る革新的ブッダ論。

内容説明

ブッダは本当に差別を否定し万人の平等を唱えた平和主義者だったのか?近代の仏教研究は仏典から神話的装飾を取り除くことで、ブッダを平和主義者で、階級差別や男女差別を批判し、業や輪廻を否定した先駆的人物として描き出してきた。だがそれは近代的価値観を当てはめ、本来の内容を曲解したものにすぎない。では、ブッダの真の偉大さは一体どこにあるのか。これまでのブッダ理解を批判的に検証し、初期仏典を丹念に読みとくことでその先駆性を導き出す革新的ブッダ論。

目次

第1部 ブッダを知る方法(ブッダとは何者だったのか;初期仏典をどう読むか)
第2部 ブッダを疑う(ブッダは平和主義者だったのか;ブッダは業と輪廻を否定したのか;ブッダは階級差別を否定したのか;ブッダは男女平等を主張したのか;ブッダという男をどう見るか)
第3部 ブッダの先駆性(仏教誕生の思想背景;六師外道とブッダ;ブッダの宇宙;無我の発見;縁起の発見)
終章 ブッダという男

著者等紹介

清水俊史[シミズトシフミ]
2013年、佛教大学大学院博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PD、佛教大学総合研究所特別研究員などをつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

54
【先入観に囚われたブッダ理解を、批判的に検証】初期仏典を丹念に読み解くことで、その先駆性を導き出す“尖がった”ブッダ論。巻末の、詳細な参考文献紹介(研究背景含む)が、本書の白眉です。遥か昔に、史的イエス関連本を読み漁ったことを想起。題名に触発され田川先生の本を再読したいなぁ、って思う。<「仏典から神話的装飾を取り除いて歴史を抽出する」という研究手法の限界について私見を提示し、2500年前に生きたブッダという男の先駆性を、バラモン教やジャイナ教と比較することで、歴史的文脈のなかに位置づけようと試みた>と。⇒2024/11/07

逆丸カツハ

52
正直なところどこまで妥当なのか測りかねるところがあるが、非常に面白かった。過去の人物であるブッダが現代の価値観に合うような人間であったと考えることはおかしいという率直な指摘は説得力がある。歴史的な限界から一人逃れられるというのは疑ったほうがいいのだろう。自分もブッダの言葉を読んで解釈をひとつかふたつしたが、それの妥当性がどれほどのものかわからない。それはブッダに対して正しくなくとも、意味のないものではないのだけれど。2024/01/22

禿童子

27
初期仏典から、後代の「期待されるブッダ像」を極力排して、ブッダとは何であって、何でないのかを明らかにする本。ブッダは、在世中の古代インド世界の常識、業報輪廻を前提として、在家は生天(より良い世界への生まれ変わり)、出家者は輪廻の終結(これ以上生まれ変わらない)を目指すべきとして、輪廻を駆動する業、煩悩、苦を滅する道を示した。六師外道との比較、特に類似点があるとされるジャイナ教と唯物論者との違いが明確に説明されている。中村元や三枝充悳がかなり批判されている。著者の清水氏も仏教論争の渦中にあるようで同情する。2024/11/05

えも

24
刺激的なブッダ論▼中村元を始め「歴史のブッダ」を追い求めた近代の仏教研究(ブッダを平和主義者で、業と輪廻を否定し、階級差別を否定し、男女平等を主張した、とするそれ)を、研究者自身の理想を代弁させた、新たな「神話のブッダ」を生み出しただけだと批判し、その上で、当時のインドに乱立した様々な宗教と比較した仏教の先駆性を初期仏典から丹念に読み解く、という革新の1冊▼鋭い!2024/08/20

佐倉

21
曰く心理学者であり平和主義者でありヒューマニストでフェミニストで…と様々に語られるブッダだが”「歴史のブッダ」と称されるものは、研究者たちが、単に己が願望を、ブッダという権威に語らせてしまった結果に過ぎない”とし、初期仏典からブッダと仏教の教義が2500年前のインドの常識や宗教の文脈に沿った存在であることを論じてく。科学なり思想なり、現代的な視線を投影すると新たな神話が生まれてしまう…という指摘は鋭いと感じる。仏教の平等性を根拠に不可触民の差別撤廃をインド憲法に盛り込んだ例も紹介されているように、2024/01/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21658049
  • ご注意事項

最近チェックした商品