出版社内容情報
公文書と「個人メモ」の境界は? 電子メールも公開請求できる? 「不開示」がきたらどうする? 調査報道記者が教える、市民のための情報公開請求テクニック。
内容説明
行政が押し進める理不尽な政策。そこに共通するのは、意思決定過程が不透明で結論や負担だけを市民に押しつける点だ。真実を知り、民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが行政を監視し、政策をチェックすることが求められる。役所の不正に立ち向かうとき、強力な武器となるのが情報公開制度だ。これまでに千件もの情報公開請求を行い、数々のスクープを伝えてきた調査報道記者が、長年の経験をもとに、そのしくみとテクニックをわかりやすく伝授する。
目次
第1章 報道は期待できない―市民が自ら情報公開請求すべし
第2章 はじめての情報公開請求
第3章 意思決定過程を解明する―狙いは非公開の「調査」と「会議」
第4章 「不存在」を疑う―役所のごまかしをどう見抜くか
第5章 請求テクニック―目的の情報にたどり着くために
第6章 黒塗りに隠されたもの―役所の「痛点」を見つける
第7章 審査請求のススメ―「不開示」がきたらどうする?
著者等紹介
日野行介[ヒノコウスケ]
ジャーナリスト・作家。1975年生まれ。元毎日新聞記者。東京電力福島第一原発事故の被災者政策や、原発再稼働をめぐる安全規制や避難計画の真相を調査報道で暴いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中太郎
7
基本的に小説を主に読む自分が、書店に行った時に何故かなんとなく興味を持ち手に取った1冊。 国籍問わず誰でも権利は持ってるけれども殆ど使用されることのない権利である情報公開、その具体的方法や事例について詳しく書かれていた。 特にあまり知られていない審査会のことについて詳細が載っていたのが面白かった。 行政に対して法律を制度を使用してどのように立ち向かっていくか、誰が読んでも分かりやすく書かれているのが良かった。 情報公開を考えている人の良い入門編になるのでは、と思った。2024/03/02
ひつまぶし
3
後半は流し読み。著者の性格なのだろうが、書きぶりがちょっと意地悪。事例として出てくるのは、著者が調査報道のテーマとして取り組んできた原発行政が中心なので、細かいところまで理解しようとすると読んでいてしんどい。行政機関が用いるごまかしの手口とそれらへの対抗策、資料の読み解きかたなどは詳しい。「こういう資料があるはず」というあたりをつけるには組織が普段どのように動いているかを知らなければいけない。情報公開制度を活用するための次なる基礎知識として、日常業務の手続きやルーチンワークの実態を扱った本があると助かる。2025/03/07
Humbaba
2
情報は行動しなければ得られない。ただし、それは行動すれば欲する情報が得られるということを意味しているわけでもない。得られる情報であってもそのためには正しい手続きが必要になるし、やり方次第では手元に入らないこともある。どのような情報が欲しくて、それを得るためにはどのようなやり方が適切なのか。それらをよく認識しなければ、情報を提供する側の都合のよい方向に流れてしまう可能性もある。2024/07/08
takao
2
ふむ2023/12/26
お抹茶
2
『調査報道記者 国策の闇を暴く仕事』で著者が原発行政の隠蔽性を暴く実例を読んだ。この本では,情報公開請求のノウハウを伝授し,情報公開請求の方法や役所によるごまかしの実例を記す。役所が情報を広く発表する「公表」と市民から請求されたから開示する「公開」の意味を混同させて,非公表の情報は全て非公開と思わせる。決裁文書がついていなくても公文書である。録音データも電子メールも市民から気づかれないよう腐心しているが,公文書である。著書は毎日新聞を辞めたそうで,このような役所に嫌われる取材の難しさと関係するのだろうか。2023/12/15
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