出版社内容情報
ヘンテコな答えや言葉遣いには、ちゃんと意味がある。子どもの、あるいは人間一般の心の働き、認知のしくみ、言葉の法則や性質について、楽しく学べる一冊。
内容説明
小学生になった息子の珍解答は続く。さらに巷の記事・絵本さらにTシャツのロゴ・町の看板まで、題材はあらゆるところに広がっていくことに。「これ食べたら死む?」「のび太vs.のび犬」「ニンジンは、ヤギ・ヒツジも食べてくれるよ♪」ヘンテコな答えや言葉遣いの背後にある、子どもの、あるいは人間一般の心の働き、認知のしくみ、言葉の法則や性質について、楽しく学べる一冊。
目次
第1章 習わないのにわかっていることば―言語習得とその先
第2章 逆さま文字、何が逆さま?―文字の認知
第3章 英語にあって日本語にないもの?―目的語と関係節、そして主語?
第4章 日本語って難しいの?―文理解と曖昧性
第5章 小さい「っ」の正体―特殊モーラと音声知覚
第6章 なぜ会話が通じるのか―語用論
第7章 頭の中の辞書をひく―メンタル・レキシコン
著者等紹介
広瀬友紀[ヒロセユキ]
大阪府出身。東京大学総合文化研究科教授。専門は心理言語学、とくに言語処理。言語発達過程の子どもがどのようにその知識を運用するかにも関心を寄せ、まだまだ続く息子の珍プレーに喜ぶ日々(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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rico
85
ああ、確かに。子どもの書き間違い・言い間違いは、いわば言語を修得していく過程で発生するエラー。その発生メカニズムを探ることは、言語、さらには人間の認識の有り様へ迫ることになるんだ。文字の構造、修飾語、暗黙の理解等など・・読みにくいところもありましたが、間違いの事例にクスっとしつつ、言語学の世界のエッセンスに触れることができたような気ががします。国語に難ありだった息子の「作品」はきっとネタの宝庫だったはずなのに、「ア*・ボ*」よばわりして、スルーしてしまった。もったいないことした。そして息子よ、ごめん。2022/11/18
榊原 香織
79
小学生の息子の誤解答にたまに吹き出す。 死む、は言い間違いじゃなく成長過程における5段活用の過剰一般化によるものだそうですよ。 認知科学はやはり難しい。 このノリはやはり大阪の人。2022/10/25
Nobuko Hashimoto
31
ご自身のお子さんの言語の発達をつぶさに観察し、そこから言語の習得の法則や、認知について考察している。お子さんの言い間違い、書き間違いの例が豊富に登場し、お母さんとしてのツッコミが書き添えられていて、とても楽しい。寝る前に少しずつ読んだので、専門的な説明のところになるとついうつらうつらしてしまったのがもったいなかったです。ごめんなさい。( ̄▽ ̄;)2022/10/25
にしがき
17
👍👍👍👍 エッセイ的なノリで非常に読みやすい。子どもの言い間違い、書き間違いが微笑ましく、そうくるかー!という、日本語をマスターしてしまった大人には盲点な間違い方がたくさん紹介されている。本書は、その子どもの間違いから、日本語の特徴や子どもの言語の認識の仕方へ議論を展開していく。/「っ」の扱いは、確かに深く考えるとかなり不思議。非日本語話者の人に説明できる自信ない。2022/10/31
武井 康則
10
言い間違い、誤字、鏡文字など言葉に関する不思議や疑問を並べて専門的に説明している。もともとウエブで公開していたらしく、ユーモアを交えて楽しく解説という趣旨らしいが、自分の子供の、言語に関する間違い等を語りながら笑いを取るために言及がしつこく、他人の私には関心が持てない。特に新しい発見もない。雑誌のコラムなどには最適だったかも。2024/12/10