出版社内容情報
安倍政権下で経済、社会、政治すべてが奈落へと突き進んでいる。経済政策の虚構、疲弊する労働者、権力の暴走と欺瞞を迫真ルポ。戦わずして敗ける国の正体とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
24
3年前の本。ヨーロッパで起きた国家総動員の戦争の次の形態。経済戦争。一時はその経済戦争でトップに躍り出た日本。アレから30年(綾小路きみまろ調)。トップから転げ落ち内需では、やり方を変えながら利権を堅守。その間にも世界水準では競り負け続け、それを国内では誤魔化しに誤魔化して来た事が、、30年も経ったら流石に表面化して来た。それが実質賃金の低下。政治の腐敗。本書では特に「桜を見る会」をピックアップしていた。アレは純粋に公的行事の私物化という不当、選挙区の有権者接待の違法事案だと列挙。さらに沖縄の辺野古も書く2023/10/14
つきかげ🌙
17
令和日本は既に敗戦状態にある。 何らかのイノベーションがなければ、日本のGDPは落ち続けるし、都合のいいイノベーションは期待できない。明後日自民党の総裁が選ばれるが、このような現状を変えてくれるような人物であればいいが。2024/09/25
coolflat
16
85頁。異次元金融緩和は急速な円安を生み、しかし意図した輸出拡大はなく、逆に円安にもかかわらず輸入が増大した。その結果円安のインフレとなり、実質賃金と家計の実質所得を削り取った。消費は停滞し、アベノミクスが意図する「円安による景気回復のルート」は途絶えた。ただ円安は特に輸出系企業に大きな利益をもたらした。大企業の多くはアベノミクスで得た利益を賃上げや設備投資に回さず、内部留保として蓄えた。アベノミクスが引き起こしたこの経済現象は、景気後退とインフレが同時進行し人々の生活が苦しくなる「スタグフレーション」だ2022/12/04
みなみ
16
神奈川新聞の田崎記者の著作。アベノミクスの仕組み、行き止まりの異次元緩和。改憲と声高に叫ぶ安倍総理と、現実には与党内でも進まない改憲議論。さまざまな日本の問題をあぶり出す一冊だった。ことあるごとに改憲と口に出す安倍総理がなぜ改憲議論を始めないのか、ここ数年不思議だった。その理由が考察されていて大変参考になった。2020/10/30
どら猫さとっち
7
安倍政権が発足してから8年目、今や風前の灯火または黄昏を迎えようとしている。これまで安倍政権下で起きていること…労働、経済、憲法そして社会を焦点を当てて、腐敗する安倍政権の正体を炙り出した警鐘の書。本書を読めば、いかに安倍政権が冷酷で恐ろしいかわかるはずだ。著者は神奈川新聞の記者で、さまざまな社会問題を取材し続けている。その問題に取り組む視線は、鋭く冷静で人間味もある。安倍政権への批判は、人間らしい社会に繋がっている。そのことを証明している。今からでも遅くない、本書を読んで今の現実に向き合って、考えよう。2020/04/11
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