ちくま新書<br> 漢語の謎―日本語と中国語のあいだ

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漢語の謎―日本語と中国語のあいだ

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  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480072856
  • NDC分類 814
  • Cコード C0281

出版社内容情報

漢字の熟語である「漢語」は、中国から日本に伝来し、また日本から中国へ輸出もされてきた。本書は様々な漢語の来し方を探求し、秘められたドラマを描きだす。

内容説明

漢字による熟語である「漢語」。その中には、中国でできたものと、日本でできたものがあり、実は来歴が謎に包まれたものが多くある。銀行の「行」、電池の「池」、盆地の「盆」…それらの字はそもそもどんな意味だったのか?「文明」「文化」が日本から中国に渡った漢語というのは本当か?中国では「手紙」がトイレットペーパーを意味する?ひとつのことばの背景には、それをつくった人がおり、海を越えて運んだ人がおり、使う人がいる。本書は、さまざまな漢語の来し方を、情熱をもって探求し、普段使っている言葉の本来の意味、そしてそこに秘められたドラマに迫る一冊である。

目次

序章 漢語の日中往来
第1章 「電池」になぜ「池」がつくのか?―身近な用語の謎
第2章 「文明」「文化」は日本からの逆輸入?―日本から渡った漢語
第3章 「半島」「回帰線」はどうできたか?―日本での漢語のつくられ方
第4章 なぜ「熱帯」は「暑帯」ではないのか?―中国での漢語のつくられ方
第5章 「空気」は日中双方でつくられた?―成り立ちに謎がある漢語
終章 日本語と中国語のあいだで

著者等紹介

荒川清秀[アラカワキヨヒデ]
1949年兵庫県生まれ。愛知大学地域政策学部教授、博士(文学)。専門は日中対照研究、近代の日中語彙交流、現代中国語の文法と語彙。中国語教育学会会長、日本中国語学会副会長・理事を歴任。1990年、1997年、2008年NHKラジオ中国語講座講師。2009年、2010年Eテレ「テレビで中国語」講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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へくとぱすかる

64
漢字で書くことばは、ほとんどが中国由来だが、幕末・明治期に日本から中国に「輸出」されたものもある。中には「Uターン」した語も。オランダ語の訳として作られるなど、漢語の近世史はなかなか国際的だったようだ。日本と中国で微妙にニュアンスが変わっているのもお互いさまだが、なぜか日本では、漢字の動詞的用法に弱いらしい。字の並び順が、中国では声調順が多いとは初めて知った。ところで古辞書一冊を、自動車一台の価格でも買う、というのには恐れ入る。これは学者の心意気。「百葉箱」をめぐる謎は、ぜひ解いてほしい謎ですね!2020/02/16

寝落ち6段

20
普段あまりにも、使い慣れすぎて、その謎にすら気付けない漢語。漢字だけで構成された熟語である漢語は、その字面を見れば、その意味を何となく類推することができる我々の文化の賜物であると思う。だが、漢字の本家本元の中国と漢字を外来語として日本語に落とし込んできた日本で、それぞれ違う進歩を遂げた。時には輸入し、逆輸入し、文化は文化の影響を受け合っている、融和していくものなのだと感じた。先人の知恵の詰まった漢語。不必要な表現は廃れ、新しい漢語が生まれる。私たちは、そういう文化に生かされているのだと自覚する本。2023/12/13

さとうしん

14
漢語の中で近代用語は、従来日本→中国の一方通行で広まったとされてきたが、中国で成立した漢訳洋書に注目することで、中国→日本→中国といったように日中間の相互作用によって成立するという具合に複雑な様相を呈していることを示す。取り上げている漢語も、この手の話で取り上げられやすい「自由」「経済」「科学」といったベタなものではなく、「電池」「化石」「半島」「熱帯」「空気」といった少々変わったものが多い。具体的なものの方が意味の幅が小さく扱いやすいからだというが、これはこれで面白い。2020/02/10

さえきかずひこ

11
日中の語彙交流の研究が専門の著者が、漢字熟語のルーツを辿って、多数の文献にもとづいて論じている。「熱帯」や「貿易風」は中国でできて日本へ伝わったが、「回帰線」「半島」「健康」はこの国でできて、かの地に伝わったなど、漢字の造語能力の日中の違い(中国では声調の順に並ぶなど)がわかりやすく説かれている愉しい一冊。江戸期の蘭学など、洋学者と外国人たちの翻訳のいとなみについても垣間見ることができ、とても読みごたえがある。現代漢語についての知識があると、より楽しめるので、中国語学習に励んでおられる方にもおすすめです。2020/08/08

Hatann

8
中国語と日本語との間を往来する漢語の形成過程を例示する。漢語は広義には漢字を使った言葉を意味するが、表意文字を共有する中国語と日本語が長期に亘って相互の語彙を交流させていることにも留意すべき。交流により生じる漢語の由来の謎を「日本語と中国語のあいだ」と副題する感性に感嘆する。漢語の多くは中国から日本に伝わったが、清末期を中心に日本から中国に伝わったものもある(後者には借用語や転用語も含まれる)。日本のみならず中国の古い文献をも調べているほか、いまの中国の生活状況にも詳しく、著者の縦横無尽ぶりが実に面白い。2020/02/22

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