出版社内容情報
単独政権が可能な自民党は、なぜ連立を解消しないのか? 福祉重視の公明党はなぜ、自民党と連立するのか? 「連立」から日本政治を読み解く、初の本格的分析!
内容説明
なぜ、自公「連立」なのか?単独政権が可能な自民は、なぜ連立を解消しないのか?平和・福祉重視の公明はなぜ、自民と連立するのか?「連立」という視角から、日本政治を読み解く自公政権にかんする、初の本格的分析!
目次
はじめに もはや単独政権の時代ではない
第1章 神話としての二党制
第2章 連立の政治学
第3章 非自民連立から自社さへ
第4章 自公政権の形成と発展
第5章 なぜ民主党政権は行きづまったのか
第6章 自公政権の政策決定とポスト配分
第7章 自民・公明両党の選挙協力
おわりに 野党共闘と政権交代を考える
著者等紹介
中北浩爾[ナカキタコウジ]
1968年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中途退学。博士(法学)。立教大学法学部教授等を経て、一橋大学大学院社会学研究科教授。政治学、特に日本政治外交史・現代日本政治論を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
20
野党が政権交代を実現するにはどうしたらいいのか。55年体制と呼ばれる自民党長期政権が93年に終わった後、非自民連立の細川政権を皮切りに、現在に至るまでほとんどの期間が連立政権によって占められてきており、日本では連立政権が常態になっているところに鍵がある。そして自公政権は、09年から12年までの3年余りの中断を挟んで、16年以上にわたって続いている。自民党の一強状態にあるといわれる12年以降も、単独政権ではなく、公明党との連立政権である。つまり自公連立は現在の日本政治で唯一の安定的な政権の枠組みになっている2020/08/29
Francis
17
気鋭の政治学者によるいわゆる「自公連立政権」の分析。と同時に細川連立内閣以降の非自民党連立政権の分析と比較も行われている。自公連立政権は政権協議、選挙協力も綿密に行われており、お見事としか言いようがない。非自民党勢力とその支持者の側には自公連立政権に対する冷静な分析と彼らから学ぶ姿勢が欠けているように思われ、それが「安倍一強」の長期政権化につながっているのではないか、と感じた。2019/07/18
青雲空
8
自公が現在の選挙制度に理想的に適合した選挙協力をして、長期政権を実現している。この構図はかなり盤石で、野党支持者としては、ちょっと絶望的な気分に陥った。 風任せでは、相当な暴風を待たないと自公協力を崩せない。 リベラル派は、本気だして野党協力してくれ。2022/10/17
犬養三千代
7
自公政権が政策では距離が有るのにどうして長続きしたのかを分析。 選挙協力が大きいことは言うまでもない。今まで自民党に有利だと思っていたがウインウインだったのは数字で明らかに。民主党政権との大きな違いを自公は「情」と説く。民主党菅直人を、「不誠実」と切って捨てる。大阪都構想がバックにある堺市長選挙の結果がどうなるか?2019/06/09
ラマンチャ
6
1993年に55年体制が終焉してから、日本の内閣は常に連立によって成り立っている。特に、自公連立は自民党が単独過半数を占めている期間でも解消されず、自自公連立以来、民主党による中断をはさんでも継続している。それはなぜか。鍵は二つ。ひとつは積極的な選挙協力ができること。候補者調整といった消極的な協力ではなく、小選挙区と比例で票を交換するような積極的な協力ができている。自民は地方、公明は都市部に固定票があり、補完できるからだ。ふたつは政策協議。世論の反応を見ながら、アクセルとブレーキとして両党が機能している。2021/03/18