出版社内容情報
世界を驚愕させた「ゲノム編集ベビー」誕生の発表。生命の設計図を自在に改変する最先端の技術を基礎から解きほぐし、利益と問題点のせめぎ合いを真摯に追う。
内容説明
2018年11月、中国の研究者が「ゲノム編集をした受精卵から双子の赤ちゃんを誕生させた」と発表した。生命の設計図をいとも簡単に操作し、実際に子どもを誕生させたという報告の衝撃は大きく、倫理的・社会的な議論が巻き起こっている。本書は「ゲノム編集」という最先端の生命科学技術を基礎から解きほぐして紹介しながら、それが拠って立つ生命科学の歴史と系譜をも辿ることで、私たちが手にする利益と内包する問題点のせめぎ合いを追う一冊である。
目次
序章 遺伝子組み換えの夜明け
第1章 クリスパー誕生物語
第2章 人工の遺伝子編集ツールを作る
第3章 遺伝子治療をこう変える
第4章 ヒト受精卵を編集する
第5章 種を「絶滅」に導く遺伝子ドライブの脅威
第6章 古代人の再生は可能か
終章 そこにある「新世界」は素晴らしいか
著者等紹介
青野由利[アオノユリ]
科学ジャーナリスト、毎日新聞社論説室専門編集委員。東京生まれ。東京大学薬学部卒、同大学院総合文化研究科修士課程修了。生命科学、天文学、原子力などの科学分野を担当。1988‐89年フルブライト客員研究員(MITナイト・サイエンス・ジャーナリズム・フェロー)、99‐2000年ロイター・フェロー(オックスフォード大学)。著書に『宇宙はこう考えられている』『ニュートリノって何?』『生命科学の冒険』(以上、ちくまプリマー新書)、2010年科学ジャーナリスト賞を受賞した『インフルエンザは征圧できるのか』(新潮社)、『ノーベル賞科学者のアタマの中―物質・生命・意識研究まで』(築地書館)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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