出版社内容情報
西郷・大久保から乃木希典まで明治史のキーパーソン22人を、気鋭の専門研究者が分析。実証に基づく、人物評伝集の決定版。
筒井 清忠[ツツイ キヨタダ]
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内容説明
明治史上の重要人物に対するかつての見方は、昨今の研究によって大きく覆されつつある。二二の明治史のキーパーソン―木戸孝允、西郷隆盛、大久保利通、福澤諭吉、板垣退助、伊藤博文、井上毅、大隈重信、金玉均、陸奥宗光、李鴻章、山県有朋、谷干城、榎本武揚、小村寿太郎、桂太郎、明治天皇、岩崎弥太郎、松浦武四郎、福田英子、嘉納治五郎、乃木希典―を最新の実証研究に基づき、気鋭の先端研究者たちが捉え直す。最新研究で描きなおす重要人物の実像決定版最新評伝。
目次
木戸孝允―「条理」を貫いた革命政治家
西郷隆盛―謎に包まれた超人気者
大久保利通―維新の元勲、明治政府の建設者
福澤諭吉―「文明」と「自由」
板垣退助―自らの足りなさを知る指導者
伊藤博文―日本型立憲主義の造形者
井上毅―明治維新を落ち着かせようとした官僚
大隈重信―政治対立の演出者
金玉均―近代朝鮮における「志士」たちの時代
陸奥宗光―『蹇蹇録』で読む日清戦争と朝鮮〔ほか〕
著者等紹介
筒井清忠[ツツイキヨタダ]
1948年生まれ。帝京大学文学部長・大学院文学研究科長。東京財団政策研究所上席研究員。専門は日本近現代史、歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
20
コンパクトな評伝集。したがって伊藤博文などの活動期が長く重要な人物に関しては、切り口の工夫は感じるものの、かなり物足りない。一方金玉均、松浦武四郎、嘉納治五郎、そして福田英子といった、それこそ教科書で名前を見た程度の人物については、かなり面白く読めた。そういう意味では総帥の手による乃木希典も、最近の再評価を土台にかなりきちんと論じている。まあそもそも、ここで痛烈に批判しているように、司馬遼太郎のような研究者ではない歴史小説が、いわゆる学問の歴史のように振る舞っていることへのアンチテーゼなので当然だが。2018/07/11
サケ太
13
明治時代を生きて、存在感を示した様々な人物たち。有名な人々から知らなかった人々まで。福沢諭吉、伊藤博文、井上毅、大隈重信、金玉均、桂太郎、松浦武四郎、嘉納治五郎、乃木希典など。今まで違う視点で見ていた人物たちの明治時代の実績。どれだけその人物を一つの枠に押し込めていたのかがよくわかる。新たな視点を学べる本。これで明治の小説も更に楽しくなれる。2018/04/23
Book Lover Mr.Garakuta
9
【図書館本】【速読】:明治人物列膳2021/12/25
さとうしん
9
軍事的指導者としてのリーダーシップが強固な組織作りに生かされる一方で、権力への執着心が弱かったという板垣、財政と民主主義との矛盾に直面した大隈、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン戦争の視察によって赤十字の思想を学んだ榎本、福田英子のセクシュアリティの問題、嘉納治五郎の柔道が警察の道場に採用された事情など、伊藤・西郷・山県などより割とサブに近い人物の評伝の方を面白く読んだ。2018/04/21
庄屋之者
4
「維新の三傑」から松浦武四郎や福田英子まで幅広く人物を押さえているが、人物史になるとどうしてもその人物を顕彰する傾向が出てしまうようで、フラットに人物を見ることができないことが悔やまれるところ。 しかし、教養的な知識(三菱のマークの変遷など)を知れたのはよかった。2021/04/30