出版社内容情報
国家なんていらない、自由に生きよう――プルードン、バクーニン、クロポトキン、ルクリュ、マフノの思想と活動を生き生きと描き出す。
森 元斎[モリ モトナオ]
内容説明
国家なんて要らない。資本主義も、社会主義や共産主義だって要らない。いまある社会を、ひたすら自由に生きよう―そうしたアナキズムの思考は誰が考え、発展させてきたのか。生みの親プルードンに始まり、奇人バクーニン、聖人クロポトキンといった思想家、そして歩く人ルクリュ、暴れん坊マフノといった活動家の姿を、生き生きとしたアナーキーな文体で、しかし確かな知性で描き出す。気鋭の思想史研究者が、流動する瞬間の思考と、自由と協働の思想をとらえる異色の入門書。
目次
第1章 革命―プルードンの知恵(アナーキー・イン・ザ・フランス;フランス革命 ほか)
第2章 蜂起―バクーニンの闘争(奇人、バクーニン;破壊と創造 ほか)
第3章 理論―聖人クロポトキン(聖クロポトキン;クロポトキン、シベリアへ行く ほか)
第4章 地球―歩く人ルクリュ(地を這うアナキスト;ネイチャー・ボーン・アナキスト ほか)
第5章 戦争―暴れん坊マフノ(必殺仕置人、マフノ;豊かなウクライナ ほか)
著者等紹介
森元斎[モリモトナオ]
1983年東京生まれ。中央大学文学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。専門は哲学・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
78
五人の代表的なアナキストの簡単な評伝から、アナキズムの現在の意味合いについて語る新書。著者によると、世間的にアナキズムはすっかり廃れたことにされていて、まともな入門書が皆無であるのでこの本を書いたと。この独特の語りは、アナキズム研究家の栗原康の文体とほぼ同じ。若者向けを意識しているのだろうか。アナキズムが生まれた19世紀の背景と当時ライバルであった共産主義との関係なども。といっても気軽に読める内容だ。個人的に、ウクライナのマノフは初耳だった。「おわりに」に少し感動した。『いつも心に革命を』2017/09/29
モナキ・おヨネそっくりおじさん・寺
72
私はエエ歳こいてアナキストになろうと考えた。悪い世の中、次世代の為にせめて思想ぐらいは変えておいて、なんぞの時に味方してやりたい。という訳で、先日読んだ『国道3号線』が面白かった森元斎先生の本書に入門した。いま、比較的に入手しやすいアナキズムの本はたいがい大杉栄や伊藤野枝メインのものが多いので、そのまた元祖の海外アナキストを手っ取り早く学べるのは本書ぐらいである。アナーキーとは、飢えた狼みたいな奴が中指を立ててる様なイメージだが、プルードンもバクーニンもクロポトキンも髭モジャの太っちょで可愛いでないか。2020/12/06
skunk_c
68
マルクスに批判されたプルードンに加え、バクーニン、クロポトキン、そして初めて知ったルクリュとマフノの、パリ・コミューンからロシア革命にかけて活動した5人のアナキストの評伝を通じ、国家や政府による支配を廃し、究極の人間的自由を目指すアナキズムが、どのような思想かを分かりやすく説いた書。文体がちょっと栗原康に引っ張られた感じだったり、ロックバンドの歌詞などの引用がちりばめたりと、若者への意識が覗く。マルクス=レーニン主義への憎悪に近い記述は、アナキズムとの関係と同時に、権威主義国家への反発か。2020/03/11
ころこ
41
アナキズムと聞くと単なるめちゃくちゃ、騒乱で治安を悪化させる愉快犯と思いがちだ。だがアナキズムは、無秩序ではなく無権力。国家に代表される政治権力を本来の純粋さから排除して、相互扶助を基本とした自由で平等な社会をつくる思想のことである。リバタリアニズムと違うところは、相互扶助があるところだが、ルクリュはリバタリアニズムに分類され、クロポトキンは自立よりも逆に相互扶助を強調している。近代を起点に理想の形が過去に向かうのが保守主義で、未来に向かっているのが左派進歩主義だが、現実に対して常に敗れ続けることが正しさ2026/07/25
ネムル
21
クロポトキンやバクーニンの名はよく目にするが、実際どういう人物なのかはよく知らず、多少なりとも知ってるのは大杉栄くらいか、というレベルからの読了。入門書ではありつつも、果敢に闘いド派手に散っていったアナキスト列伝、敗者の世界史。貴族の出であれ貧農であれ、先人と歴史に敬意をもって闘い抜くのがとてもカッコよい。ファイアー・エムブレムなんかをやる感覚で読んだ、別にアナーキーなゲームではないが。あとはダーウィニズムや文化人類学的なところと強い接点があるのも知らなかった。2018/06/15




