出版社内容情報
直観や思いつきは間違いの元。ダイエット、健康、仕事、幸福について、メタ分析を駆使した結論を紹介。ゴミ知識にまどわされず本当に有益な知識へ案内する。
内容説明
一般的に信じられている知識の多くはゴミであり、有害だ。一方、星の数ほどある実証科学の研究も、その質はピンからキリまで。本当に頼れる知識は、数百、数千の研究から質の高い研究のみを抜粋して、メタ分析等の統計的分析を行ったシステマティック・レビューである。さあ、これでもあなたは常識と思い込みにしたがって人生を送りますか?
目次
第1部 真実を知るには(科学の営み;研究の価値は何できまるか;何が判断を歪めるか)
第2部 どこまで本当なのか(なぜダイエットは難しいか;健康で長生きするには;仕事での間違った思い込み;幸福になるには)
付録 メタ分析とは
著者等紹介
村上宣寛[ムラカミヨシヒロ]
1976年京都大学大学院修士課程修了。富山大学人間科学部名誉教授。認知心理学の研究、統計分析、性格測定に関するプログラム開発、評論活動に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
48
研究を始めるとき、研究者によって当初から一定のバイアスがかかってしまうのは致し方ないことだと思う。大事なのは、データを捻じ曲げないこと。理性がどこまで働くか、研究とは人間性が試される行為。2016/02/28
壱萬弐仟縁
36
研究論文は星の数ほどある。実証科学では、ある特定の仮説を支持する研究が100%ということはあり得ない(009頁)。科学の語源からすると、知識は分割という認識能力から生まれる(022頁)。調査で仮説が検証できる訳でなく、条件を統制、変化させて研究する(024頁)。バランス・ダイエットの比は、タンパク質10~20%、脂質25~30%、炭水化物45~65%がベスト(083頁)。健康問題を抱えぬ中高年がダイエットに励むのはお勧めできず、かえって寿命を縮める結果に。無理ないペースがポイント(100頁)。2016/02/21
*
22
専門家が推奨する「通説」はどこまで正しいのか、丹念に検証した一冊。所々に著者の個人的なエピソードが入っていて読みづらいが、「もし著者が採用担当になったら」という部分は興味深かった▼自分もビタミンCのサプリメントを飲んでいるので、偏ったサプリの服用は控えようと思った▼コーヒーを一日に3杯飲むと死亡リスクは21%下がる。おそらく、それだけ一息つくのが上手い人ということなのかな。2018/08/03
ステビア
20
メタアナリシスで俗説をメッタ斬り2021/07/25
テツ
19
書籍や論文でデータを提示しそれに基づき導かれた結論は本当に正しいのか。特に健康やダイエット、美容や幸福に関する事柄は、それを能動的に手にして読むのがやる気があっても知識があまりない一般人がほとんどだということもあり、疑似化学的な内容がさも真実かのように受け止められていることが多い(らしい) ぼくたちがこうしてメタ分析的な手法を用いて全てに対して向き合うというのは現実的ではないけれど、あまり信じすぎないというのが大切なのじゃないのかなと身も蓋もないことを感じた。勿論メタ分析により導かれた結論も含めて。2022/09/11