出版社内容情報
本来おおざっぱで曖昧であったがゆえに、他人や自然と共鳴できていた日本人の身体観を、古今東西の文献を検証しつつ振り返り、現代の窮屈な身体観から解き放つ。
内容説明
「膝」と言えば、ピンポイントの膝頭ではなく太ももの前側全体を指し、「肩」と言えば、肩峰のみならず、首肩まわりの「界隈」を指す…おおざっぱであり曖昧であり、細かいことは気にしなかったはずの日本人の身体観。ところが、現代の身体に関する志向性はこれに逆行している。人間同士の境界も環境との境界も曖昧であったがゆえに、他人や自然と共鳴できていた日本人の身体観を、古今東西の文献や文学、また能の詞章を検証しつつ振り返ることで、「カラダ」と「ココロ」に分裂し、内向きになっている現代の身体観を、打開する端緒としたい。
目次
第1章 「身」と「からだ」(欠落した身体;はだか ほか)
第2章 曖昧な身体(主客の境が溶けるとき;時間の境も曖昧に ほか)
第3章 溢れ出る身体(溢れ出す身体;情緒 ほか)
第4章 ため息と内臓(環境と直接つながりたいという欲求;『古事記』に見る欲求の変化 ほか)
著者等紹介
安田登[ヤスダノボル]
1956年生まれ。下掛宝生流能薬師、公認ロルファー(米国のボディワーク、ロルフィングの専門家)。千葉県銚市子出身。大学時代に中国古代哲学を学び、20代前半に漢和辞典の執筆に携わる。能楽師として東京を中心に舞台を務めるほか、年に数度の海外公演、学校や市民講座、学会などで能や能の身体技法会得をテーマとしたワークショップを開いている。能のメソッドを使った朗読・群読の公演や指導も行い、東京、東江寺で論語と謡曲を中心とした寺子屋「遊学塾」を開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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