出版社内容情報
信長は「革命児」だったのか? 近世へ向けて価値観が大転換した戦国時代、伝統的権威と協調し諸大名や世間の評判にも敏感だった武将の像を、史実から描き出す。
内容説明
時代に先駆けた思想をもち、伝統的権威や因習に因われずに「天下統一」を目指した「革命児」信長。だが、この広く行きわたったイメージは、はたして歴史的な事実といえるのだろうか?信長の真の姿を描く。
目次
信長の「箱」―はじめに
第1章 信長と将軍
第2章 信長と天皇・公家
第3章 「天下布武」の内実
第4章 分国拡大の実態
第5章 信長と宗教
第6章 「革命児」信長の真実
信長の「本当の箱」―おわりに
著者等紹介
神田千里[カンダチサト]
1949年東京都生まれ。東京大学文学部卒、1983年同大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本中世史専攻。高知大学人文学部教授を経て、東洋大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
59
通説でいわれている織田信長像に疑問を抱き、常識や先入観にとらわれず探求した、読み易く納得出来る一冊。新しい信長がいます。2018/09/23
さよならつげ義春・寺
33
帯に「この男、革命児にあらず!」とある。世間一般の信長のイメージをきちんと洗い直す本。信長や龍馬は近年持ち上げられ過ぎた反動で過小評価されがちだが、歴史学者だけあって正当な姿の復元を目指す。こういうのは面白いに決まっている。この本を読むと、信長は魔王的なパブリックイメージと違い、保守的でなかなか真面目な人である。元就贔屓の広島人の私としては、vs毛利戦を再考しているのが嬉しかった。ちらっと出て来る秀吉の有能振りに改めて舌を巻く。常識と評判に細心の注意を払った信長の姿は嫌いじゃない。お勧めします。2014/10/19
ホークス
32
2014年刊。信長に対する「革新者、革命家」の評価を再考。多くの資料から当時の人々の感覚に迫ろうとしている。以下自分用メモ。⚫︎室町将軍の権威は強く、大名、小領主、平民それぞれに畏れ敬った。信長も敬う姿勢を崩さなかった⚫︎「天下」は京都周辺を指すことが多かった⚫︎信長など大名の勢力圏は小領主の集合体。時勢と共に主従関係も移ろう。武田や毛利との戦いも境界の小領主を抱き込むのが当初の目的。国家統一の意図は窺われない⚫︎源頼朝も、当人は朝廷の侍大将で満足だったかも知れない。信長の革新性にも演出された面がある。2026/03/26
skunk_c
21
信長にまつわる通説というか俗説に疑義を呈しながら論じている。信長と将軍義昭、あるいは朝廷との関係については、脇田氏のものと大きな違いは感じられず、こうした既製の権威を重視する姿勢はすでに定説化しているようにも思えた。人物評伝として読むとちょっと期待はずれかも。むしろ本書の白眉は、詳細な資料再検討により、きめ細かく史実に迫ろうとしている点、そして史料を現代語で書き下してきわめて読みやすくした点にあると思う。多くの歴史書で史料引用の部分で立ち止まることが多いが、新書の性格からしてこのアプローチは正解だと思う。2015/09/15
サケ太
17
織田信長とはなんだったのか。彼は“革命児”だったのか。天下への野望を抱いていたのか。死後数百年の間に造られた“織田信長”のイメージを覆す一冊。そもそも天下とか。織田信長の目指したものとは。ノッブとかそんなマンガとかのキャラでなくとも、彼が現代の自分に対する評価を見たら「どうしてこうなった」と言いそうな感じが凄いするぞ。しかし、優秀な人物であるという事実は変わらない、と個人的には思う。色々とかみ合ったんだろうな。2018/09/15




