出版社内容情報
雇用流動化論は欺瞞である。日本型雇用は終わっていない。労働力を商品と見て、競争を煽ってきた旧来の労働経済学を徹底批判。働く人本位の経済体制を構想する。
内容説明
一九九〇年代後半以降、構造改革や規制緩和で使命を終えたとされた日本型雇用。だがその雇用安定機能や人材育成機能は、今も労働者の生活安定、職業能力形成に大きく寄与している。日本型雇用の意義を再評価するだけでなく、新たに積極的な構築を試みる本書は同時に、市場原理になじまない労働力を商品と見て、労働者一人一人に市場価値を競わせる論理を蔓延させてきた従来の労働経済学を徹底批判。その背景にある新古典派経済学に警鐘を鳴らし、真の科学とは何かを問い直す。
目次
第1章 雇用問題の真実―私たちは正しい問題設定ができているか(マーシャリアンクロスの罠;近代科学の呪縛 ほか)
第2章 労働経済学と構造改革―新古典派経済学の危険な理論構造(OECDの労働市場研究;対日審査が突きつけたもの ほか)
第3章 構造改革の顛末―社会を壊す力とそれを復元する力(破壊された福祉国家とその理念;格差社会幻想論と欺瞞の経済運営 ほか)
第4章 労働経済学とは何だったのか―近代科学と市場主義の落とし子(労働経済学の問題性;労働経済学の歴史 ほか)
第5章 転換する世界と日本の価値―これからの経済政策と経済思想(経済学とは何だろうか;転換する世界と経済学 ほか)
著者等紹介
石水喜夫[イシミズヨシオ]
京都大学教授。1965年生まれ。1989年立教大学経済学部卒業、労働省入省。経済企画庁、日本労働研究機構などを経て、2005年より厚生労働省労働経済調査官として労働経済白書を執筆。2011年に現職。経済学部で労働経済論、大学院で雇用システム論などを担当。『現代雇用政策の論理』(依光正哲教授との共著、新評論)で沖永賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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