出版社内容情報
戦前の「宮中」は国家の運営について大きな力を持っていた。各国家機関の思惑から織りなされる政策決定を見直し、大日本帝国のシステムと軌跡を明快に示す。
内容説明
大日本帝国における主権者は天皇であり、その大権は、各国家機関を経て代行されるシステムとして運用されていた。しかし、それは天皇が単なるお飾りであったことを意味するわけではない。天皇自身も政治的意思を持ち、それを取り巻く機関「宮中」もまた、国家の運営に大きな力を持っていたのだ。「宮中」という視点から、「内閣」「議会」「軍部」など、各国家機関の思惑、それらから織りなされる政策決定時の錯綜に注目し、大日本帝国のシステムと軌跡を明快に提示する。
目次
第1章 近代国家の建設と新しい宮中の姿―明治憲法体制下の宮中
第2章 大正から昭和へ―元老西園寺による宮中管理
第3章 政党政治の時代から軍部の台頭へ―宮中の苦悩
第4章 戦争の時代―宮中新体制と西園寺の死
第5章 破滅への道―側近による戦争終結への努力
第6章 敗戦後の国体危機―象徴天皇制へ
エピローグ 宮中を支えた「忠臣」たちの晩年
著者等紹介
茶谷誠一[チャダニセイイチ]
1971年生まれ。明治大学文学部史学地理学科卒業。立教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、成蹊大学文学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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