出版社内容情報
二〇世紀に巨大な存在感を持ったソ連。「冷戦の敗者」「全体主義国家」の印象で語られがちなこの国の内実を丁寧にたどり、歴史の中での冷静な位置づけを試みる。
内容説明
一九一七年の革命から生まれ、一九九一年に崩壊した社会主義国家・ソ連。二〇世紀の歴史上に巨大な存在感を持つこの国は、いまだ「冷戦の敗者」「失敗した社会主義国」「民意を無視した全体主義国家」といったイメージで論じられることが多い。しかし、その歩みを内側からたどってみると、そこでは必ずしもその印象に収まらないさまざまな試行錯誤がおこなわれていたことが見えてくるだろう。簡潔にして奥深い「ソ連史入門」。
目次
第1章 ロシア革命からスターリン体制へ
第2章 「大祖国戦争」の勝利と戦後のソ連
第3章 「非スターリン化」から「共産主義建設」へ
第4章 安定と停滞の時代
第5章 「雪どけ」以後のソ連のいくつかの特徴
第6章 ペレストロイカ・東側陣営の崩壊・連邦の解体
著者等紹介
松戸清裕[マツドキヨヒロ]
1967年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。専攻、ソ連史。現在、北海学園大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nnpusnsn1945
72
ソ連の全体的な歴史を見る上で丁度よく、講談社学術文庫の『ソビエト連邦史』よりも読みやすい。計画経済の不順によって、労働者は酒を飲みながら仕事をするのも珍しくはなかったようだ。勤務態度が適当だろうが解雇されなかったからである。さすがにそのままで良い訳もなく、ペレストロイカで酒の制限が行われている。2021/08/19
i-miya
42
2013.01.27(初読、初著者)松戸清裕著。 2013.01.26 (カバー1) ソ連は、その歴史は、まさに壮大な「実験」の歴史。 多大な困難と、犠牲を伴った、自他国民共に犠牲を強いた末に、失敗に終わった。繰り返されるべきではない。 ソ連の歴史に学びうるところを見出し、学び尽くすよう努力すべきである。 2013/01/27
ピオリーヌ
41
読了。2011年の刊。同著者の世界史リブレット『歴史のなかのソ連』に続けて読んだ。ソ連の通史で、経済的な側面からの記述が多い。またフルシチョフ時代の記述が手厚い印象。時折ゴルバチョフの回想が引かれ、ソ連の実情が活き活きと描写されている。ゴルバチョフが書記長に就任した際の記述。軍事支出は、国家予算の公表された16%ではなく、40%!だったという。また茶番とも思える一党独裁制の選挙についても記述があり、謂わば選挙は祝祭だったという内容も興味深い。2026/08/05
Tomoichi
38
冷静でイデオロギーに影響されないソ連史。それだけに語られる彼らの歴史は悲しく暗い。そんなソ連を夢の国と思っていた人々がいかにおめでたい人たちだったことか。共産党も辛いよとそんな声が聞こえてくる苦難のソ連史。2018/01/26
TS10
37
経済政策に重点を置いたソビエト連邦の通史。ジョージ・オーウェルの『1984年』で描かれるような全体主義的なソ連観は、フルシチョフ以降のソ連の実像に即したものではないことが随所で指摘されている。スターリン死後のソビエト連邦は、本来のマルクス・レーニン主義へと回帰し、経済成長と国民の生活水準向上を目指して西側と競合した福祉国家でもあったのだった。だが、国民の所得向上による需要の増加は、中央からのノルマを達成することに主軸を置く社会主義経済によって対処できるものでもなかった。2023/10/05




