出版社内容情報
「いかに生きるべきか」という問題は一個人の幸福から「正義」への問いとなり、共同体=国家像の検討へつながる。ギリシア哲学を通してこの根源的なテーマに迫る。
内容説明
幸福は二つの次元から成立する。一つは、生きるための基本的物財の確保、言論、集会、行動その他の自由、そして、諸権利の平等の実現である。これを可能にしうる社会構造がデモクラシーであり、それは古代ギリシア人の創造に始まり、現代においても、歴史を動かしている起動力である。他は、心の安らぎであり、それは、偶然と運命に翻弄される人間が、存在の根源に帰ることにより、達せられる。現代が直面している問題を、ギリシア哲学が切り開いた視野から考える。
目次
第1章 哲学のはじめ―人はいかに生きるべきか
第2章 ポリス的生の成立とその限界―自己実現としての幸福とその「かなた」
第3章 精神革命としてのソクラテス哲学―反駁的対話と無知の知
第4章 プラトンの『国家』における正義―哲人王と平民
第5章 アリストテレス政治思想の現代的意義―デモクラシー成立の基礎
第6章 人はなぜ戦争をするか―「世界平和実現」への理念と方途
第7章 根源への還帰―仏教とキリスト教における霊性
著者等紹介
岩田靖夫[イワタヤスオ]
1932年東京生まれ。61年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在は東北大学名誉教授。仙台白百合女子大学名誉教授。2003年、文化功労者。古代ギリシア哲学のほか、ハイデガー、ロールズ、レヴィナスの研究で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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